映画『カップルズ』

1996年の台湾映画

『カップルズ』

↓↓↓

IMG_8726.jpeg

監督はご存じ

僕のお気に入りです

台湾が生んだ早逝の巨匠

エドワード・ヤン(楊徳昌、1947-2007)

↓↓↓

IMG_8738.jpeg

本作は

1990年代の台北を舞台に

欲望と刹那を生きる若者たちの

悲劇と希望を

鮮烈に描いています

急激な経済成長を遂げ

多国籍な街となった台北

そこで共同生活を送る4人

↓↓↓

IMG_8729.jpeg

実業家の息子でリーダー格のレッドフィッシュ

プレイボーイのホンコン

ニセ占い師のトゥースペイスト

新入りのルンルン

↓↓↓

IMG_8735.jpeg

巧妙な手口で

金も女も

自由に手に入れようと

日々企んでいる彼らの前に

フランスからやって来た少女

マルトが現れたことにより

結束していた彼らの関係は

少しずつ変わりはじめる…

↓↓↓

IMG_8756.jpeg

街の雑踏

クラクションが鳴り響き

車やバイクがひしめき

人々の猥雑なエネルギーが充満し

街全体に蔓延している

ふぅ

前作『恋愛時代』(1994)が

台北を生きる富裕層の若者たちの

アイデンティティの喪失を描いたのに対し

本作は

ストリートを生きるアウトサイダーたちの

どこにも希望を見出せない様を描き出しています

↓↓↓

IMG_8733.jpeg

90年代に

香港などとともに

アジアの中では

先んじて経済発展を遂げた台北

↓↓↓

IMG_8728.jpeg

西洋文化が流入し

拝金主義と消費欲で沸騰する

資本主義社会の混沌としたあり様

とりわけ若者たちは

自分たちのやり方で

金儲けと快楽を追っていく

↓↓↓

IMG_8740.jpeg

そんな彼らの日常の中に

汚れのなく美しいフランスの少女マルトが

唐突に紛れ込んでいく

4人のうちのひとり、ルンルンは

マルトのピュアな面に触れ

密かに心惹かれ

彼女を守ろうとひとり画策する…

↓↓↓

IMG_8727.jpeg

ルンルンは自分の実家に

マルトをかくまうのですが

ここはアメリカ人向けのシェアハウスで

部屋の中にはアメリカの国旗や

ジェームズ・ディーンの写真などが

所狭しと飾られていて

そこでルンルンの親父やアメリカ人たちは

麻雀に興じています

↓↓↓

IMG_8742.jpeg

(ちなみに本作の原題は『麻雀』)

東西がごった煮になった

現代の台北に見る

生活の断片

う〜ん

独特のムードを宿していて

面白いですね

物語の進行につれ

青年たちの

感情がにわかに変容し

自分を見失っていき

やがて暴発していく様は

ヤン得意の展開で

ふぅ

観ていて

凄まじい緊張感と

ヒリヒリと底冷えする狂気

えも言われぬ虚無感を覚えるのですが

しかし映画は

猥雑な社会の渦の只中で

↓↓↓

IMG_8737.jpeg

最後に

一縷の希望を残してくれます

↓↓↓

IMG_8725.jpeg

よくよく

現代の台北に宿る

表層的で空虚なムード

浮かび上がる孤独感を

ひっくり返す

象徴的なラストですね

とまあ

本作は

1960年代初頭の台北を描いた

『牯嶺街少年殺人事件』(1991)の

現代版のような様相を帯びていまして

『牯嶺街…』の少年たちが青年となって

本作にも主要キャストとして数名が出演

↓↓↓

IMG_8732.jpeg

そこにフランスの女優

ヴィルジニー・ルドワイヤンが加わって

絶妙なコンビネーションを見せています

↓↓↓

IMG_8752.jpeg

というわけで

『カップルズ』

ヤンの時代の空気を切り取る視点

シンボリックな構図

卓越した演出

…が随所に光る一作

雑多な都市、台北に見る

90年代のリアル

そこに生きる若者たちの

光と影…

いやあ

あらためて

これは傑作

是非とも必見です

↓↓↓

IMG_8736.jpeg

おまけ

ヤンの作品について

以前書いた記事です

◎『恐怖分子』→こちら

◎『牯嶺街少年殺人事件』→こちら

◎『恋愛時代』→こちら

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。