曽野綾子『人間の分際』
曽野綾子さんの本です
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本書は曽野さんの過去の著作の中から
以下の章に当てはまる文を抜粋し
再構成したものです
第一章 人間には「分際」がある
第二章 人生のほんとうの意味は苦しみの中にある
第三章 人間関係の基本はぎくしゃくしたものである
第四章 大事なのは「見捨てない」ということ
第五章 幸せは凡庸の中にある
第六章 一度きりの人生をおもしろく生きる
第七章 老年ほど勇気を必要とする時はない
いやあ
読んでていちいち納得
心に響きます
僕の考える
『共生』
の理念、スタンスって
つくづく
キリスト教的価値観に近いなぁと
かねてから思っていましたが
本書を読んで
あらためて実感しましたね
以下、心に残った文章を掲載
◎人間には変えられない運命がある
私たちは、それぞれに望むことはしますし、望むことについて努力すると思うのですけれども、しかし本当の運命を変える力はないでしょう。「分際」という言葉があります。人間の努力が加わらないわけではない。しかし、自分の運命をすべて左右できるということでもない。それが、分けるという字と際という字を書いた「分際」という言葉の意味です。
◎「やればできる」というのはとんでもない思い上がり
◎不幸な人だけが希望を持てる
闇がなければ、光がわからない。人生も、それと同じかもしれません。幸福というものは、なかなか実態がわからないけれど、不幸がわかると、幸福がわかるでしょう。だから不幸というのも、決して悪いものではないんですね。荒っぽい言い方ですが、幸福を感じる能力は、不幸の中でしか養われない。運命や絶望をしっかりと見据えないと、希望というものの本質も輝きもわからないのだろうと思います。
◎生涯における幸福と不幸の量はたいてい同じ
不思議なことに、長い人生なら、運の良し悪しは大抵ならされるものだし、それぞれに思い通りにいかない人生と闘ってきたあとだから、そこに多少の差が出ても納得できるようになる。努力した人が必ずしも富や権力や幸福を得るわけでもなく、怠けた人や頭の悪い人がどん底に落ちることもない、というこの世のからくりの面白さがわかってくるんですね。
◎愛とは相手をあるがままに受け入れること
◎幸福の意味は自分が決める
…幸福の概念を創り出す力だけは、たった一人の孤独な作業によるものである。
◎人に何かを与えることが幸福の秘訣
◎何事も「ほどほど」がいい
◎努力と結果が結びつかないところに救いがある
考えてみれば、運命に流される、ということが私にとっては非常に重大なことであった。それは努力して運命の流れに逆らうという一見正反対の姿勢と、ほとんど同じくらいの重さで人生にかかわっている。そしてその二つの行為は決して矛盾していない。…
…
いやあ
何か行き詰まった時に
本書を読み返すことで
見失いがちな自分を取り戻す
そんな一端を
本書は担ってくれそうです
というわけで
“分際”
つまりは
“分をわきまえる”
“節度を持って生きる”
これはまさに
『共生』の考え方そのものだなと
本書を通して
強く確信し
共感を覚えると共に
心底勇気づけられた次第です
と
こちらも併せてオススメ
目を見開かされる
珠玉の文章です
↓↓↓
曽野さんは人間の成熟ということにも発言をされてますよね。
>経営計画税理士 田口 通さん
はい。今度そっちも読んでみたいと思います^_−☆