フェリーニの魔術
イタリアが誇る“映像の魔術師”
フェデリコ・フェリーニ(1920-1993)
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いやあ
今さらながら
何を隠そう
僕が一番好きな監督です
お
妻、ジュリエッタを撮るフェリーニ
彼の名を一躍世界に知らしめた
『道』(1954)のスナップです
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フェリーニの映画を観て
つくづく思うのですが
あらためて
その映像の端々から
ほのかに漂うノスタルジー
切なく懐かしいまでの郷愁
いわば
思い出
つまりフェリーニは
いつも過去を生きています
自身の少年時代を美しい映像で綴った
『アマルコルド』(1973)の印象的なワンシーン
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って
よくよく
フェリーニのノスタルジーには
つい
いつまでも感傷に浸り続けてしまうことに対する
どこか
そこはかとない後ろめたさがついて回ります
と
しか~し
…なんですよ
過去にどっぷりと浸かることによって
逆に未来を生きる活力を得る
どこまでも
怠惰に
自堕落に
後ろ向きに
映画館の暗闇の中に身を埋める
ひっそりと自分の殻に閉じこもる
それこそ徹底的に影に隠れる…
でも
そうすることで
やがて
現実と向き合い
人生を前向きに生きようという力が
自ずと
自分の中に湧き出るのを覚えるのです
これこそが映画の持つ力
フェリーニのマジックなのです
これは例えるなら
子供が小さいうちは
ある一定の年齢まで
徹底的に甘やかせる教育に似ていますかね
そうして与えられた愛情のコップが
いっぱいになって
それがいつしか溢れ出ると
その子は受けた分以上に
愛情豊かな人間になる
う~ん
フェリーニの映画は
どこかそうした話に
近いところがあるような気がします
どんなに残酷な現実を見せられても
フェリーニの映画には愛情が溢れている
絶望の只中にあっても
必ずひとつ
小さな希望が垣間見えるのです
傑作『カビリアの夜』(1957)の
有名なラストシーン
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まあ少なからず
ニーノ・ロータのメロディーが
フェリーニの魔術を後押ししているであろうことは
言うまでもないでしょうが…
いやあ
というわけで
しみじみまったりと
ひとり陰に籠る晩秋の夜です…
おまけ
『8 1/2』(1963)の回想シーン
ひとり海辺に住むサラギーナ
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