映画『上海から来た女』
1947年のアメリカ映画
『上海から来た女』
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監督・脚本・製作
そして自ら主演を兼ねるのは
かの天才
オーソン・ウェルズ(1915-1985)
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ご存じ
映画史に燦然と輝く名作
『市民ケーン』(1941)を
弱冠25歳で世に放ち
衝撃的なデビューを飾ったウェルズですが
う〜ん
まだまだ時代が追いついていなかったんでしょうね
でもつくづく
時系列の再構築などの大胆な構成や
数々の斬新な映像表現など
80年以上前の作品ながら
今観ても新鮮で抜群に面白いことに
まずもって驚かされますね
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しかしこの『市民ケーン』は
今でこそ不朽の名作となっていますが
公開当時は
作品の先鋭性もさることながら
モデルとなった実在の新聞王ハーストから
様々な形で圧力を受け
多くの地域で上映妨害に遭い
興行的には惨敗してしまいます
そうして自分の思う通りに作品が作れない
不遇の時代が続き…
と
前置きが長くなりましたが
当時32歳のウェルズが
久々に放った会心の一作が
この『上海から来た女』です
本作は当時、ウェルズの妻で
前年の『ギルダ』(1946)が一世を風靡した
リタ・ヘイワースを共演に迎えた
いわばフィルムノワールです
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…
ある夜、マイケル(=ウェルズ)は強盗に襲われていたエルザ(=リタ)を助ける
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夫がいると知りながら、美しい彼女に心惹かれるマイケルだったが、そんな折り、エルザの夫アーサーから船員として雇われ、ヨットで航海の旅へ出ることになる
ところが、同乗していたグリズビーが何者かに殺害され、アリバイのないマイケルは逮捕されてしまう
彼は裁判の途中で逃走し、真犯人を捜しはじめるのだが…
…
巨漢になる前の
若きウェルズがちょっと懐かしく
妻だったリタが
もうため息が出るほどに美しい…
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ふと
本作でウェルズは
自慢の妻を
ちょっと見せびらかしたかったのかもしれませんね
わかりませんが…
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それはそうと
なんの
それにとどまらず
随所に見られる
切れ味鋭い演出の数々には
思わず目を見張らされます
主人公のモノローグとともに
粛々と進行する不穏なストーリー
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表現主義的なショットの連続
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そして後半から
一気に畳みかけるように展開する
異質のシークエンスの数々
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水族館での密会や
チャイナタウンでの京劇の観劇
何よりクライマックスとなる
遊園地のクレイジーハウス内での
めくるめく鏡の部屋のシーン
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後に
『燃えよドラゴン』などにも引用されて
有名になりましたね
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とまあ
つくづく
ファム・ファタールなんですよね
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女に翻弄された男の哀しき性
とでもいいましょうか
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よくよく
演出も脚本も主演もこなすウェルズって
やっぱりすごいですね
淡々と穏やかな語り口から
徐々に話が錯綜していき
後半
一気にクライマックスへと雪崩れ込んでいく
この緩急織り交ぜた
的確な演出
終始一貫して
醸成されたダークなムード
ノワールな世界観
というわけで
『上海から来た女』
いやあ
たまにはモノクロの古い映画もいいですね
今更ながら
オススメのサスペンスの古典です
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