『ジャクソン・ポロック展』
先日行ってきました~
竹橋の東京国立近代美術館で開催中の
『ジャクソン・ポロック展』です
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いやあ
待望の展覧会です
ジャクソン・ポロック(1912–1956)は
知る人ぞ知る
アメリカ抽象絵画の代表的な画家で
享年44歳という早逝ながら
美術界に革命をもたらしたとされている
伝説的な人物です
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生誕100年を迎える今年
表現の新たな地平を切り開いた
この偉大な画家の全貌を知る
またとない機会が
現在、東京で開催中の本展です
いやあ
それにしてもすごいボリューム
なにせ今回
世界中から
ポロックの作品が集結したんですからね
僕も本展を通して
彼の凄さを
まざまざと見せつけられましたね
何より
ジャクソン・ポロックは
モダンアートと呼ばれる抽象絵画の
一つの極北に達したと言われています
それは絵画から形を取り除いた
その革新性にあります
形を成すものという絵画の常識を覆した
新たな表現を打ち立てたのです
今回、奇跡の来日を果たした
イランのテヘラン美術館所蔵の
ポロック最高傑作のひとつ
《インディアンレッドの地の壁画》(1950)です
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この作品
なんと
最新の評価額が
200億円
絵画史上最高の値がつけられています
う~ん
絵の前でしばらく
立ち尽くしてしまいましたね
ただひたすらに
縦横無尽に飛び交う線
飛び散る絵具
幾重にも塗り重ねられた色
じーっと見つめていれば感じます
線が絶えずうごめいています
絵が動き続けているのです
そこから
溢れんばかりの
みなぎる生命力が伝わってきます
グッと近づいて観たらとにかく凄いです…
その圧倒的な迫力に
ただ呆然と立ち尽くすのみです…
この画風は
“アクションペインティング”
と呼ばれる
ポロック独特の
大胆極まりない手法によって
成り立っています
一言で
筆をキャンバスから離して描くのです
…と
キャンパスから離すということは
絵具を垂らしたり
叩きつけたりして“描く”わけで
ポロックは最終的に
床にキャンバスを広げて
絵具を降り注いで描く画法に至るのです
明確な技法として
ポーリング(=流し込み)
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ドリッピング(=滴らし)
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などを駆使して
オールオーヴァー(=焦点のない構成)
という特質の作品を
多数生み出していくのです
上記の《インディアン…》や
他に
《ナンバー11》(1949)
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あるいは
オールオーヴァーな状態から人型にくり抜いた
《カットアウト》(1948~1958)
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などなど…
う~ん
筆をキャンバスから離して描くということは
当然、筆先が
自分の思うところに行かなかったりして
コントロール不能に陥ったりします
そうすると
偶然そこに絵具が飛び散った
ということも多いわけで
つい成り行き任せで
無造作な印象を抱きがちですが
実は
ポロックの凄いところは
偶然をともなってもなお
そこに
明確な統一性
まとまり
秩序を
宿しているという点にあるのです
ポロック自身
自分の絵を
決してカオスなのではないと
言い切っていますが
近年の研究によって
ポロックの絵に
フラクタルの構造があることが
明らかになったそうです
フラクタルとは?
一見不規則なように見える自然現象の中に
規則性を見い出そうとする考え方で
例えば
全体と部分が
同じような形、印象になることを指します
そういったフラクタルの構造は
花や木など自然の中に容易に見ることができ
まさに自然の本質を表していると言えます
そしてポロックは
「I am nature」(=私は自然だ)
と常々語っていて
こうした自然界の仕組みを
キャンバスに再現しようとしたのです
これはポロックが生まれ育った故郷
アメリカ西部の大自然に
大きく根ざしていて
彼はネイティブアメリカンの世界観からも
深い影響を受け
例えば筆を離す画法も
ナヴァホ族の砂絵から
ヒントを得ているんだそうです
う~ん
いずれにしましても
ポロックの絵は
緻密な計算と周到な準備の産物なのです
ちなみに本展の最後に
ポロックが晩年を過ごしたアトリエを
再現したスペースが設置されていました
ここは撮影OKでしたね
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塗料が床に飛び散った様子まで
忠実に再現されていて
なんとも臨場感にあふれていましたね
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実際にポロックが使用していた画材の現物も
特別に展示されています
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おおっと…
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いやあ
とても語り尽くせませんね…
ポロックの絵は
観るだけでなく
体感するもの
とにかく
『インディアンレッド…』を目の前にして
何も考えずに
じーっと観てみて下さい
なんだかよくわからなくても
きっと何かを感じるはずです…
それは
自然であり…
宇宙であり…
これこそまさしく芸術の真髄です
本展覧会は5月までやっていますので
僕もできればあと2回くらい
合間をぬって観に行きたいと思います
必見で~す
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