映画『レザボア・ドッグス』

大学生だった当時

どうしてこの映画を観ようと思ったのか

いまいち記憶が定かでないのですが

ひとり渋谷の映画館で観ました

なにせタランティーノの名は当時まったく知られておらず

妙にヘンテコな名前だなという程度の印象しかなかったのですが

観終わって映画館を後にした時

タランティーノは

もうすでに僕の中でスペシャルな存在として

すっかり棲みついてしまいましたね

今回ご紹介の映画です

1992年製作のアメリカ映画

ご存じ

クエンティン・タランティーノ監督の

記念すべきデビュー作

『レザボア・ドッグス』

↓↓↓

IMG_9712.jpeg

いやあ

初めてこの映画を観たときの衝撃は忘れられません

かれこれ20年も前のことですが

いまだ鮮明に覚えています

観終わった後

しばらく席を立てないでいましたね

こういう映画にホントたまに出くわすんですよね

ストーリーは

強盗のために集められた

お互い素性を知らない者たちが

宝石強盗を実行するも

計画自体が警察に事前に察知され

そして

命からがらアジトに逃げ帰った数名の中で

「この中に警察の犬がいる」

という話になり

互いに猜疑心を募らせていき

やがて

という

まあ

ありふれた低予算の犯罪もの

↓↓↓

blog_import_64426dc4a38b4.jpg

ですが

かと思いきや

とんでもありません

もう

オープニングから釘づけでしたね

黒づくめの男たちによる会話のシーン

卑猥な下ネタ

エッジの効いたおかしな論調

どうでもいいことにこだわることで生まれるリアリティー

なんなんだこれは

自在に動き回るキャメラが

男たちの生の表情をいきいきと捉えます

↓↓↓

blog_import_64426dc64f0eb.jpg

(左上が若きタランティーノ監督で

本作に出演もしています

得意の爆裂トークで下ネタを披露)

そして本編の中で

ラジオのDJがかける70年代サウンド

『リトル・グリーン・バック』に乗って

店を出た男たちが

街を歩いてゆく様をスローモーションで撮影

男たちがゆっくり横スクロールする構図の

このクールなカッコよさ

↓↓↓

blog_import_64426dc8263b3.jpg

音楽に乗って

一人一人のアップが映し出されるのに合わせて

クレジットが流れ

やがて男たちが遠ざかっていく後ろ姿に

タイトルロールがかぶさり

文字がゆっくりと上がっていきます

↓↓↓

IMG_2590.jpeg

う~ん

言葉で伝えるのが難しい

百聞は一見にしかずですがね

のちにビデオ化されて

このオープニングからタイトルロールまでのシーンを

一体何度繰り返し観たことか

関数と関数

この場合

70年代のサウンド

黒づくめのスーツ

男たちが歩いていく構図

スローモーション

これらが組み合わさったことで生まれる衝撃

とにかくカッコいいのなんの

↓↓↓

IMG_9710.jpeg

タランティーノの持ち味、武器

いわばバックボーン

それは過去に浴びるように観たという

B級テイストの映画群たち

特には70年代の

マカロニウエスタンや香港映画、日本の時代劇ややくざ映画などで

タランティーノはこれら過去の映画から

素材だけでなく撮り方やアングルまでも

自作で

徹底的に引用しているのです

まあ彼の本質は

いわば熱狂的な映画オタクなんですね

しかし極めてパクリ的な視点にもかかわらず

映画は決して古ぼけず

むしろ圧倒的に今風なのはなぜなのでしょうか

使われている素材はすべて過去のものなのに

タランティーノにかかると

不思議とまったく新しく見えてしまう

う~ん

こういうのをセンスと呼ぶのでしょう

まあタランティーノが

単なるパクリだけで映画を創ってるわけではないことは

次作の『パルプ・フィクション』で明らかになるのですが

↓↓↓