映画『恐怖と欲望』

あの

2001年宇宙の旅』や

『時計じかけのオレンジ』など

映画史を塗り替える数々の傑作を

世に送り続けた

巨匠スタンリー・キューブリック監督の

幻のデビュー作が

なんと

ただいま渋谷で上映中です

1953年製作の

『恐怖と欲望』です

↓↓↓

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いやあ

この映画

タイトルは知っているものの

今の今まで

まず観る機会は皆無

それもそのはず

若きキューブリック監督が

自らお金をかき集めて

監督、製作、撮影、編集を一人で兼ねて

ようやく作り上げるも

その出来に不満を抱き

結果

自身の経歴から抹殺するべく

なんと

自らフィルムを買い占めにかかり

封印してしまうという

なんとも

いわくつきの作品であるからです

キューブリックの死後

フィルムが発見されちゃったものですから

こりゃ

日の目を見ないわけにはいきませんよね

まさに

若き日の巨匠の片鱗を知る

またとない機会

ということで

亡くなった本人の意思にもかかわらず

遂に劇場公開が叶った次第です

う~ん

キューブリックは

今頃

天国でさぞかし

嘆いているに違いありませんね

さてさて

その問題の本作ですが

物語は

敵地の森をさまよう4人の兵士が

極限状態の中

脱出を試みようと目論む人間ドラマです

上映時間は62

時代背景も場所も明白でない

いわば

寓話的

観念的な戦争ドラマです

まあいわゆる自主製作の映画なわけですが

う~ん

キューブリックが

本作を忌み嫌ったなんて

一体

どこが気に入らなかったんでしょうか?

なかなかどうして

僕はとっても面白かったですね

とにかく

キューブリックは写真家だっただけあって

自ら担当した撮影に

相当強いこだわりが見られ

随所に素晴らしいカットが満載です

人物の目の動きを捉えた

アップの多用による

不安感の助長

死んで横たわる女性や敵の兵士の目や

次第に精神のバランスを崩していく

兵士の目のアップも

ひときわ印象的です

他にも

敵兵を殺す際の

シンプルな反復動作

随所にモノローグ(独白)を挿入することで

明かされる一人一人の本音

さらに

面白いところでは

殺す方の兵士2人と

殺される方の敵の将校と部下が

なんと

同じ人物

それぞれ一人二役で演じられているのです

う~ん

殺す方も殺される方も

つまるところ表裏一体

なんとも皮肉な描き方ですね

いやあ

若きキューブリックの

ユニークなこだわりが

至るところ垣間見れて

興味深かったですね

まあでも

相当肩に力が入っていたことは確かでして

演技も少なからず誇張が目立ち

物語それ自体

ちょっと寓話が過ぎたことは否めません

この時

なんと

キューブリック弱冠25歳です

う~ん

これはもう

素直に脱帽しますね

しっかし

つくづく

キューブリックは完璧主義者で知られていましたのでね

己の青臭さが

どうにも気に入らなかったんですかね

まあ巨匠の

青の時代の産物とでも言えましょうか

いずれにしましても

貴重な一作です

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  1. どうも!記事読ませていただきました!ネットサーフィンしていたらたどり着きました!またコメントさせて頂きますので、更新ファイトです!

  2. チョー!

    >お小遣い43万円の大学生@ダイチさん

    コメントありがとうございます!