ヴィスコンティ芸術の神髄

前回の『山猫』に続き
そこから晩年へと至る
ヴィスコンティ芸術の神髄に迫ります
彼は
映画の傍ら
舞台の演出も多く手がけ
とりわけオペラに造詣が深いことで
とかく知られています
そして舞台で得た手法を
映画に積極的に取り込み
『夏の嵐』(1954)を完成させています
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イタリア映画黄金期を共に支え
双壁とうたわれた
フェリーニとヴィスコンティですが
フェリーニが庶民をこよなく愛し
その根底にサーカスを据えて映画を創造していたのに対し
ヴィスコンティは貴族の血を重んじ
その文化であるオペラを象徴とし
あくまで芸術としての映画にこだわり続けました
なんとも対照的で面白いですね
また
近親相姦をテーマにした
サスペンス仕立ての重厚なドラマ
『熊座の淡き星影』(1965)も傑作でしたね
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クラウディア・カルディナーレが
猫のような鋭い眼光で
妖艶な魅力を発散
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そうしていよいよ円熟期に突入
ナチズムの狂気を
ある鉄鋼王一家の没落になぞらえて描いた
デカタンスの極致
『地獄に堕ちた勇者ども』(1969)を発表
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それから『ベニスに死す』(1971年)を経て
(以前書いたブログをご参照→こちら)
芸術に耽溺し狂気の淵に沈んでゆく
バイエルン国王ルートヴィヒ2世の生涯に
これでもかという執拗さで肉迫した
『ルートヴィヒ』(1973)を発表
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上記の“ゲルマン3部作”をもって
“退廃の美学”を
至高の芸術的領域にまで昇華させます
ヴィスコンティは
『ルートヴィヒ』撮影中に心臓発作で倒れるも
これを執念で完成させ
その後も
老いと孤独、家族のあり方を問うた傑作
『家族の肖像』(1974)を発表
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そして
遺作『イノセント』(1976)に至るまで
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己の芸術に対する飽くなき欲求は
終生衰えることがありませんでした
生涯で発表した作品は
全部で17本
全てがいずれ劣らぬ傑作揃い
映画界にその名を轟かせた巨人
ルキノ・ヴィスコンティは
気高い精神と強靭な意志で
70年の生涯を
芸術と共に力強く生き抜きました
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