『ウィーン・モダン展』
前回のクリムト展に引き続いてのご紹介
ただいま開催中です
『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』
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公式サイトは→こちら
場所は六本木のここ
国立新美術館
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要塞のような奇抜な外観
間近で見るとすごい迫力です
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館内にて
この巨大な円柱の上では
『ウィーン・モダン展』を記念して
ウィーン料理の特別コースが
提供されているんだそうです
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いやあ
前回ご紹介の『クリムト展』といい
今年はオーストリアとの
国交150周年を記念した様々な企画が
全国で開催されていまして
本展はその中でも決定版となる催しです
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19世紀末から20世紀初頭のウィーンでは
絵画、建築、デザイン、ファッション、音楽など
様々な分野において
後に「ウィーン世紀末芸術」と
呼称されることになる
独自の装飾的で煌びやかな文化が
一気に開花します
本展は、この時代の文化を
近代化(=モダニズム)への過程、萌芽と捉え
それを膨大な作品群を通して
余すことなく伝えています
今回展示された作品数は
個人蔵を含め
実に約400点にのぼりまして
華麗で革新性に富んだ
世紀末芸術の真髄に触れる
またとない機会となりましたね
ということで
以下、ザザッとご紹介
まずは18世紀半ばに遡り
ハプスブルク帝国の女帝
マリア・テレジアの統治下で
芸術の都が形成されていった
歴史的背景を探ります
◎マルティン・ファン・メイテンス《マリア・テレジア》(1744)
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そしてナポレオン戦争後の
ヨーロッパ再編を経た後
市民的な感覚で
気の合う仲間と日常を楽しんだり
身近な生活空間に目を向けることで
結果的に
モダニズムへの発想の転換を
もたらすことにつながった
「ビーダーマイヤー時代」をご紹介
この時代を生きた一人が
かのシューベルトでした
◎ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー《作曲家フランツ・シューベルト》(1875)
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今回シューベルトが実際にかけていた
本物の眼鏡も展示されていました
そうした変遷の後
「ウィーン世紀末芸術」
の核をなす芸術家たちが
各分野に次々登場し
ウィーンの文化は黄金期に突入
にわかに活気づいていきます
◎オットー・ヴァーグナー《カール・ルエーガー市長のための椅子》(1904)
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機能的で実用的な近代的玉座
真珠母貝とアルミニウムの鋲が散りばめられた
装飾性の高い
快適でモダンな家具の実現
さあ
そして真打の登場
◎グスタフ・クリムト《愛》(1895)
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希望に満ちた男女と
暗闇に浮かぶ不気味な人物たちの対比
金箔背景など日本美術の影響が如実です
◎グスタフ・クリムト《パラス・アテナ》(1898)
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一種異様な雰囲気が漂う一枚
保守的な画壇から離れ
分離派を立ち上げたクリムトが
分離派会館の開館記念の
展示会向けに制作した作品で
旧体制への批判と
新しい芸術を打ち立てる意思を
示したと言われる作品
胸元の舌を出すメドゥーサが面白いですね
と
革新的な芸術を目指した
ウィーン分離派の画家たちは
クリムトだけとは限りませんで
◎マクシミリアン・クルツヴァイル《黄色いドレスの女性(画家の妻)》(1899)
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大きく手を広げ
自信に満ちた表情を浮かべる女性
どこか挑発的でもあり
広げられた原色の黄色いドレスが
ひときわ華やかで
洗練された印象をもたらします
そうしていよいよメイン
魅惑の一枚
クリムトの代表作です
こちらだけは写真OK
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◎グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》(1902)
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う〜ん
ため息の出る美しさ
透き通った肌の聡明な表情
抽象的で装飾的な幾何学模様のドレス
エミーリエは
姉と二人でファッションサロンを営み
体を締めつけない改良服を
自らデザインするなど
当時では珍しい
自立した女性だったんですね
数多くの恋人がいたクリムトにとって
エミーリエは
最愛の女性だったと言われています
◎グスタフ・クリムトのスモック(1905年頃)
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なんと今回
クリムトが実際に着用していたという
スモックを展示
思いのほかビッグサイズでしたね
青いリネン製で
コットンの刺繍
ミシンによるステッチが入った一着です
と、さらに
デザイナーの
ヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザーによって
設立された
ウィーン工房の応用芸術も紹介されていて
興味深かったですね
手本となったのは
おなじみ
英国のアーツ・アンド・クラフツ運動で
品質の高いデザインと
高度な職人の技術が結びつき
日常生活の広範囲に及ぶ
様々な日用品と装飾品が
ここで生産されました
左がコロマン・ヨーザー
真ん中と右がヨーゼフ・ホフマンによる椅子
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さあ
そしてようやくやってきました
クリムトを敬愛し
独自の画風を切り開いた早世の天才
エゴン・シーレ(1890-1918)
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◎エゴン・シーレ《自画像》(1911)
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荒い筆致に繊細な内面がのぞく自画像
◎エゴン・シーレ《ひまわり》(1909-10)
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太陽に照らされた
力強いひまわりのイメージと違って
まるで疲れた手足のように
うなだれて
今にも枯れようとしているひまわり
これは生と死を見つめ続けたシーレの
もう一つの自画像とも言えましょうか
◎エゴン・シーレ《美術批評家アルトゥール・レスラーの肖像》(1910)
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シーレの良き理解者で
パトロンでもあった美術評論家を描いた一枚
この人の絵は
ポーズがホント独特で面白いですよね
◎エゴン・シーレ《マリア・シュタイナーの肖像》(1918)
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シーレといえば何せ素描がすごい
単純な描線で
少女の特徴を捉える卓越した技量
◎オスカー・ココシュカ《「クンストシャウ、サマーシアター」の演目、『殺人者、女たちの希望』のポスター》(1909)
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表現主義を追求した孤高の画家
ココシュカの作品も
今回多く展示されていて感激でしたね
他にもココシュカによる
ウィーン工房のポストカードも必見でした
とまあ
そんなこんな
ふぅ
もうお腹いっぱいです
しっかしなんという豊饒さ
終始圧倒されまくり
豪華絢爛のウィーン世紀末
その全貌を知るまたとない機会
本展は8月5日(月)まで開催予定です
是非ともお見逃しなく
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