映画『台風クラブ』

つくづく

映画を

的確な言葉で言い表すこと

それが評論

でもそれは

なかなかにして至難の業

もとより

言葉で言い表せないものを

表現するのが

映画

言わずもがなですが

そこが映画の映画たる所以ですからね

ということで

先日

Amazonプライムでホント久々に鑑賞

1985年の日本映画

『台風クラブ』

↓↓↓

blog_import_64431969cb3c9.jpg

監督は

その先鋭的な映像表現で

映画界に旋風を巻き起こすも

肺癌によりわずか53歳で他界した異才

相米慎二(1948-2001)

↓↓↓

blog_import_6443196b5acfe.jpg

本作は彼の名を世界に轟かせた

まあ問題作ですね

とある地方の私立中学校を舞台に

映画は

台風が接近するにつれて

えも言われぬ昂揚感に包まれ

やがて衝動的な行為に走っていく

中学生たちの姿を

生々しくも鮮烈に描き出します

↓↓↓

blog_import_6443196ca0227.jpg

映し出される映像の端々に宿る狂気

う〜ん

ちょっと言葉が見つかりません

しかし稀に見る純度の高さです

映画は

気まぐれな台風に呼応して

思春期の少年少女たちが抱える

不安定な心情

繊細で危険な感受性

そのほとばしる感情の発露を

昭和レトロな質感のフィルムの中に

唐突に収めていきます

↓↓↓

blog_import_6443196dedbae.jpg

田舎の学校のどことなく陰湿なムード

そうしたものをひっくるめたところの

地方都市の独特の風情

昔あった名残りとでもいいましょうか

どこか猥雑で正直で気だるくて

なんとも懐かしい感覚

そうした80年代当時の

自由気ままな空気感や雑多な生活臭が

画面の端々から

そこはかとなく漂ってきます

↓↓↓

blog_import_6443196f70500.jpg

若き日の三浦友和が

無責任な担任の先生役を見事に好演

↓↓↓

blog_import_644319709e512.jpg

にわかに漂う不穏

台風の到来とともに

次第に何かが狂い始め

やがて爆発する少年少女たち

特筆すべき

乱痴気騒ぎのシーンの異様

↓↓↓

blog_import_64431971f3321.jpg

って

あらためて

一体どうやって演出したんでしょうか

スレスレというか

完全に倫理の枠を逸脱しています

その

どこへ行くともしれない

少年少女たちの

刹那的なまでの道程を

カメラは

おそらくは捉えるのがやっとで

う〜ん

今観ても

到底、現実の方が追いついていってません

しっかし

工藤夕貴はじめ

生徒たちが振り切っていますね

皆、無垢で大胆で

底知れぬエネルギーを放出し続けていて

もう驚嘆の演技です

↓↓↓

blog_import_644319734f3e2.jpg

つくづく

80年代の相米慎二は

この時代の森田芳光(1950-2011)もそうでしたが

まあとんがってましたね

今ではちょっと考えられない表現に溢れています

というわけで

『台風クラブ』

瑞々しくもおぞましい

狂気の産物

いやあ

今更ながら

傑作です

↓↓↓

blog_import_64431974bccbe.jpg

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。