映画『裁かるるジャンヌ』

たまには
いや
定期的に
なんの
できれば毎日
…ですね
ふぅ
つくづく
日頃より
自身の内なる声に
意識して耳を傾けることが
大事だなと思う今日この頃です
自分の内面
本音と
トコトン向き合う
そのことを恐れない
って
妙な言い方ですが
でも実際のところ
人は
他ならぬ
自分自身の本音に
つい蓋をして
何事もなかったかのように
平静を保って過ごしがちです
…が
しかし内心は
少なからぬ葛藤が起こっていたりします
そうした
“内なる不穏”に対し
そこから決して逃げず
正面から向き合う
それを面倒くさがらずに
習慣とする
ふと
毎回ではありませんが
映画を観るということは
こうした
いわば自問自答のプロセスを経る行為に
しばし通じるなぁ
と実感することしきりで
いやあ
観る映画によっては
思いもよらない形で
己の内面と向き合う機会が
得られるんですよね
ホント時折
そんな稀有な映画に
出会うものなんですよね
ということで
前置きが長くなりましたが
たとえば
これ
1928年のフランス映画
『裁かるるジャンヌ』
↓↓↓
監督・脚本は
デンマークの至宝
カール・テオドア・ドライヤー(1889-1968)
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言わずと知れた
サイレント映画の古典にして
金字塔とうたわれる作品です
…
英仏による百年戦争で神がかりの活躍を見せ
祖国オルレアンの地を
解放へと導いたジャンヌ・ダルク
しかし彼女は
イギリス軍に捕えられ
異端審問官による宗教裁判にかけられ
心身ともに疲弊し屈しそうになるが
神への信仰を貫き
自ら火刑に処される道を選び
処刑台へと向かっていく…
↓↓↓
本作は
当時の実際の裁判記録や
歴史家の証言を元に映像化
特には
ジャンヌ・ダルクを
“聖女”ではなく
あくまで”人間”として捉え
司教たちによる過酷な尋問に苦悶する
ひとりの少女の
虚飾を剥ぎ取ったありのままの姿を
フィルムに克明に刻み込みます
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極端なクローズアップで捉えた
ジャンヌの表情から滲み出る
恐怖、苦悩、絶望
そして神への渇望、陶酔…
↓↓↓
つくづく
なんという映像の強度でしょうか
アップの多用による前衛的な手法で
画面からにわかに生じる
純粋性
神秘性
高揚感
没入感…
主演のルネ・ファルコネッティが
人間ジャンヌに宿る本質を
迫真の演技で体現
↓↓↓
こう
なんと言いましょうか
映像をじっと観ていると
まるでこっちが試されているような
妙な感覚にとらわれる僕がいます
いつしか自分と重ね合わせて観ていますかね
というわけで
『裁かるるジャンヌ』
巨匠ドライヤーによる
映画史に屹立する伝説のフィルム
いやあ
何度観てもすごい映画
必見です
↓↓↓
おまけ
ドライヤーの作品について
以前書いた記事です
◎『奇跡』→こちら
◎『怒りの日』→こちら
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