映画『ディア・ハンター』

1978年のアメリカ映画
『ディア・ハンター』
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監督は鬼才
マイケル・チミノ(1939-2016)
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と
以前書いた記事は→こちら
…にありますように
本作は
僕が中学3年生の時に
TV放映されて
たまたま観た一本です
…がしかし
う〜ん
多感な年頃の僕には
ちょっと強烈過ぎましたね
3時間を超える本作を観終わったあと
当時あまりのショックで
しばらく放心状態に陥り
その夜は眠れないほどでしたからね
映画を観て
トラウマ級の衝撃を受け
ホトホト打ちのめされる
いやはや
はじめての体験でした…
まあ以後
僕が映画の沼にハマる
まさにきっかけを与えてくれた
忘れ得ぬ映画なんですがね
ということで
前置きが長くなりましたが
あらためて本作は
ベトナム戦争を題材にした
人間ドラマの力作です
…
1960年代末
ペンシルベニア州の製鉄所で働く
ロシア系アメリカ人の
マイケル(ロバート・デ・ニーロ)
ニック(クリストファー・ウォーケン)
スティーブン(ジョン・サヴェージ)らは
気心の知れた仲間うちで
狩猟や酒を楽しんでいた
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町ではベトナムへ徴兵される彼らの歓送会と
スティーブンの結婚式を兼ねたパーティが
盛大に行われていた
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徴兵を二日後に控えた
重苦しいムードをかき消すかのように
彼らはいつになく騒いでハメを外す…
やがて
3人はベトナムへ出征
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彼らは戦場で再会を果たすも
敵に捕われてしまい
そこで残酷なゲーム
“ロシアン・ルーレット”を強要される
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6連発のリボルバー(回転式拳銃)に
1発だけ弾を込めて
自分のこめかみに当てて発砲する…
生死を偶然に委ねたこのゲームで
恐怖と絶望に慄きながらも
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マイケルの胆力と機転で
なんとか窮地を脱し
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彼らは奇跡的に生還する
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しかし
スティーブンは重傷を負い身体障害者になり
ニックは精神を壊し行方不明になる
唯一、マイケルだけが帰国を果たす…
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故郷へ戻ったマイケルだが
以前と同じ自分ではなくなっていた
仲間たちとも距離ができ
以前楽しんでいた鹿狩りにも
意味を見出せなくなってしまう
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一方、ニックは
サイゴンでロシアン・ルーレット賭博の世界から
抜け出せずにいた
マイケルは彼を救いにサイゴンへ行き
そこでニックと向かい合うが…
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映画は
ベトナムへ出征する前と後の
3人の姿…
戦争によって
人生と
そして人間性が
激しく変容する様を生々しく映し出します
あまりにも切なくて悲しい
ラストの衝撃…
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と
よくよく
前半の“長過ぎる”結婚式のシーンを象徴とする
平和で穏やかな日常と
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そのあと唐突に始まる
ベトナム戦争の悪夢
とりわけ
ロシアン・ルーレットの凄惨なシーンの
このあまりの落差
衝撃の度合いが否が応にも増します
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あらためて
本作最大の見どころが
この”ロシアン・ルーレット”のシーンです
実際にベトナム戦争で
このような行為が行われていたという
確たる歴史的証拠はありません
そのため公開当時から
史実性を巡って大きな論争がありました
まあ
これはいくらなんでも
“敵役”のベトナム人の描き方が
あまりに残虐で
ちょっと露骨すぎましたね
人種差別と言われても仕方ありません
しっかし観ていて
恐ろしくリアルで迫真性に満ちていて
ホントはじめて観た時は
ショックなんてもんじゃなかったですね
つくづく
物語の持つ圧倒的な強度
感情を揺さぶる俳優たちの演技が
観る者に及ぼす影響力たるや
絶大なものがあると実感するところです
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冷静沈着なデ・ニーロが見せる激情
狂気の淵を彷徨うウォーケンの歪んだ表情
廃人のようなサヴェージの病んだ姿が
今でも脳裏によぎります
この映画は
作品そのものに対する評価はさておき
少年だった僕にとって
最初の強烈な映画体験だったことは
間違いありませんね
本作は
ベトナム戦争そのものについての
アメリカの功罪
その是非は直接問わず
どこまでも
出兵した若者たちに焦点を当て
精神と肉体を破壊され
喪失感や虚無感にとらわれ
元に戻れなくなった悲劇を
リアルに描写することで
戦争の悲惨さを炙り出す構成になっています
また
本作のタイトルとなった
ディア・ハンター(=鹿狩り)も
象徴的な意味を有していますね
一発で仕留めることを信条とするマイケルが
帰還後
鹿を撃つことができず見逃してしまいます
戦争がもたらした影響
価値観の変化を
如実に物語っています
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心身に深い傷を負い
誰ひとり
元の日常に戻ることはできない…
う〜ん
とにかくもう
役者たちが最高です
デ・ニーロやウォーケン、サヴェージの他
紅一点のメリル・ストリープや
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本作が遺作となったジョン・カザールなど
皆、素晴らしい演技を披露しています
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また全編にわたって流れる
クラシックギターによる
「カヴァティーナ(Cavatina)」の切ない旋律が
観る者の脳裏にいつまでもこだまします
というわけで
『ディア・ハンター』
ふぅ
なんとまあ
凄まじい映画
チミノの大胆不敵な演出による渾身の力作は
人種的偏見を問われた問題作であり
稀に見る純度の人間ドラマの傑作であり
そして
僕にとっては
まさにトラウマ必至の
いつまでも忘れることのできない
脳裏に刻まれた映画
いやあ
今更ながら
必見です
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