映画『ファニーゲーム』

1997年のオーストリア映画

『ファニーゲーム』

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監督・脚本はオーストリアが誇る鬼才

ミヒャエル・ハネケ(1942-)

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穏やかな夏の午後

バカンスのため湖のほとりの別荘へとやってきた

夫ゲオルグと妻アナ、息子ショルシ、愛犬ロルフィーのショーバー一家

一家が明日のボート・セーリングの準備をしていると

そこへペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る

はじめは礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが

もう一人パウルが姿を現す頃には

その態度は豹変し

横柄で不愉快なものとなっていた

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やがて2人は

ゲオルグの膝をゴルフクラブで打ち砕くと

突然一家の皆殺しを宣言する

そうしてパウルとペーターによる

残酷なファニーゲームが幕を開ける

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なんという理不尽で不可解な展開でしょうか

幸せな一家が車で別荘へと向かう車内で

優雅に流れるモーツァルトの楽曲の上に

唐突に

ヘヴィメタの爆音が覆いかぶさる

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このすべてを根こそぎ奪ってしまうような

暴力的なイメージ

物語の不穏な行方を自ずと暗示させるオープニングから始まり

本作は

観る者の感情を激しくざわつかせ

限りなく不快にさせる

そんな悪意に満ち満ちています

次第にエスカレートしていく家族への仕打ちですが

実際のところ

直接的な暴力描写は意図的に映されません

しかし心理的に追いつめられる流れとなっていて

観ている方は感情を少なからず逆撫でされ

不安感を拭えずとても平穏ではいられません

また本作には

犯人がカメラの向こうの観ている側に向かって語りかけてくるなど

これは映画だということを

意図的に気づかせるシーンが散見され

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虚構と現実の関係をあえて明かす

いわばメタフィクションの演出が所々なされているのです

映画を構成する上での暗黙のルールを

根底から覆しながらも

よくよく今

画面の中で行われているのは

あくまで映画=作り物であって現実ではない

はずなのですが

しかし映し出されるリアルなやりとりに

肌寒い恐怖を覚え

嫌悪感に苛まれること必至なのです

ハリウッド映画などにおける

エンタメとしての暴力ではない

生々しいほどの戦慄

一瞬で平和が瓦解していく無情

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それにしても本当に不可解です

パウルとペーターは一体何者なのか

その素性もわからなければ

動機も何もわかりません

蔓延する得体の知れない恐怖

いやが応にも想像力が喚起されます

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つくづく悪虐の限りを尽くせば

やがてバチが当たる

つまりは成敗される

悪は滅び最後は正義が勝つ

という勧善懲悪が

あろうことか成就されない

どころか、ますます悪虐の限りが尽くされ

そこらへんは一般商業映画の定石をことごとく覆す

ハネケ監督の確信犯的な演出意図のこれ産物で

観ている方は

その意表を突いた展開に戸惑い

不安感を抱き

どうにもやらせない気持ちにさせられるのです

極めつけは

起こった出来事に対する掟破りの巻き戻し

これをやられちゃ元も子もありませんよね

もう万事休すです

物語が虚構であるということをわかっていてもなお

感情移入を強いられ

そうして絶望の淵へと追いやられてしまう

この不条理

というわけで『ファニーゲーム』

あらためて鬼才ハネケの放った

恐るべき問題作です

こちらおまけ

ハネケ自身が2007年に本作を忠実にリメイク

舞台をヨーロッパからアメリカに移した

再びの惨劇です

『ファニーゲームU.S.A.

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