映画『オデュッセイア』

先日
IMAXシアターで待望の鑑賞が叶いました
2026年公開
イギリス/アメリカ合作の
『オデュッセイア』
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監督・脚本そして製作をかねるのは
現代最高の映画監督として名高い
イギリス出身の鬼才
クリストファー・ノーラン(1970-)
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本作は
古代ギリシャの詩人ホメロスによる
西洋文学の原点ともいえる叙事詩
『オデュッセイア』の映画化で
ノーランが持てる力を結集して完成させた
上映時間172分におよぶ
まさに渾身の力作です
ストーリーはいたってシンプル
「戦争に勝った英雄が
故郷に帰るまでの長く過酷な旅」
これを
まあ呆れるくらい
壮大なスケールで描ききっています
…
古代ギリシャ
イタケ国王オデュッセウスは
10年に及ぶトロイア戦争を
「トロイの木馬」という奇策によって
勝利に導く
しかし戦争は終わったが
神々の怒りを買い
帰国を目指す航海で
次々と恐ろしい試練に遭遇する
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一つ目の巨人、魔女、海の怪物などなどが
一隊に襲いかかり
仲間たちは命を落とし
オデュッセウス自身も
女神カリュプソの島に長く留められることになる
そのころ故郷イタケでは
妻ペネロペが20年間も
夫の帰還を待ち続けていた
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立派な大人に成長した息子テレマコスは
父を行方を追い始めていた
しかし王はすでに死んだと考えた求婚者たちによって
王宮は占拠され
彼らは王妃との結婚と
それに伴う王位の座を虎視眈々と狙っていた
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そうした状況下で
オデュッセウスは20年ぶりに帰還
乞食の姿に身を隠して王宮へ潜入する
そこで待ち受ける
妻子と王国を取り戻すための最後の戦いに
彼はたったひとり立ち向かう…
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う〜ん
荒れ狂う大海原の恐怖
大自然を捉えた目を見張る美しさ
海辺に立つトロイの木馬の威容
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その中に潜む兵士たちの密集度合い
屈強な男たちの筋肉が軋む様
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その木馬を綱を引いて
皆で一斉に運び上げるシーンの
この力業(!)
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そしてトロイア戦争や
オデュッセウス最後の戦闘シーンなど
ふぅ
全編
とにかくまあ
凄まじい迫力と没入感
もう映画的興奮に満ち満ちています
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って
神々がこれまたヤバい
青みがかったリアルな映像に
一つ目の巨人が
唐突に相貌を露わにしたときの衝撃(!)
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ええっ
ありえないサイズの異形の巨人に
思わず肝を冷やします…
その後の
霧の中から続々と姿を現す
鎧を着た巨人兵たちによる襲撃
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この不穏な空気感…
ゾクゾクします
さらに
魔法で部下たちを豚に変えてしまう
恐ろしい魔女
食料を貪る男たちが豚に変質する異様
『千と千尋…』のシーンを思わず想起
あるいは
船から一度に6人の船員をさらって
食べてしまう海の怪物
巨大な渦潮を起こす怪物
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そして
海神ポセイドンによる
底知れぬ海の猛威にさらされ
ひたすら打ちのめされながら
命からがら生き延びるオデュッセウスの姿に
観ている側は
思わず同情の目を寄せることになります
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しっかしまあ
神々の仕打ちは容赦ありませんね
彼は知略に優れ武勇に長けたリーダーですが
ちょっとした慢心や判断ミスが災いして
仲間を危険にさらし
兵士をどんどん失っていきます
映画は
オデュッセウスを
完全無欠の英雄というより
ひとり罪悪感を背負い
常に葛藤し続け
試練に耐え忍ぶ男として描いています
そうした理不尽な運命に翻弄されながらも
それでも自分の意志を貫き
生き抜こうとするオデュッセウスの
孤独な生き様を
どこまでもリアルに映し出します
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あらためて原作は
西洋文明の源流とされる
ギリシャ神話を題材とした英雄叙事詩で
描かれるのは
神々の感情や欲望が渦巻くカオスの世界
ゆえに
…なのでしょうか
とにかく全編
なんとも野蛮で残酷なんですよね
これは本質的に
西洋人に内在する
戦闘好きな血なのでしょうかね…
お
まるで
ロビンマスク(!)
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それはそうと
本作最大の見どころ
それは
圧倒的な映像の迫力にあるのですが
その主な要因は
全編IMAXフィルム撮影を
敢行したことにありましょうか
う〜ん
これは単に”映像がきれい”
なんていうレベルの話ではありません
検索してみますと
大変な費用と労力を要しています
まずは
カメラが巨大で重いため軽快に動かせず
移動撮影には
専用の装置やスタッフが必要となります
また約3分でフィルム交換が必要で
3分おきに撮影をいったん休止して
交換しなければなりません
俳優たちの演技の途中でも交換が必要になり
俳優とスタッフが
一時中断を余儀なくされながら撮影に臨むため
相当な集中力が求められることになります
さらにIMAXカメラは音がうるさく
静かな会話シーンの同時録音が困難なため
今回は新型カメラと特殊な防音ケースを開発し
この問題をクリアしたそうです
ノーラン監督は本作において
撮影に約600km以上ものフィルムを使用したと報じられています
デジタル撮影と違い
撮影するたびに
物理的なフィルムを消費するため
現像・管理には莫大な費用がかかります
そして何より
そうした物々しい機材を
実際に船に乗せて
荒々しい海などで
撮影しなければならないということ
波や風に揺られながら
手間のかかる巨大なIMAXカメラで
撮影するというのは
う〜ん
これは想像を絶する過酷な現場だったろうなと
今更ながら推測するところです
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とまあ
一般的な35mmの映画フィルムと比較すると
1コマの面積は約8〜9倍にもなります
その結果
巨大スクリーンに拡大しても細部が豊かで
奥行きや臨場感に優れた映像が得られます
特に本作のように
大海や巨大な船、古代都市、大自然などが
舞台となる映画とは
とても相性がいいということですね
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さらにノーラン監督は
壮大な風景を映すためだけでなく
たとえば
20年ぶりに再会する夫婦の感情を
細かな表情まで捉えながら
臨場感をもって観る者に訴えかけたいと
どこまでも同じ映像品質での
撮影にこだわりを見せていて
オデュッセウスとペネロペの長い対話シーンを
やはり約3分ごとに
フィルム交換しながら撮影したと語っています
以前よりノーランは
『ダークナイト』や『インターステラー』、『オッペンハイマー』で
IMAXフィルムを使用していましたが
技術的な制約から
他の撮影方式を併用していました
今作『オデュッセイア』では
その制約を新しい撮影技術によって乗り越え
長編劇映画として初めて
全編IMAXフィルム撮影を実現しました
つまりこれは
映画の撮影技術そのものの進化形ということ
そして興味深いのは
デジタル技術やAIが進歩するこの時代に
ノーラン監督があえて扱いにくい
アナログフィルムを選び続けていること
まあインターネット嫌いを公言し
スマホを持たない(!)
ことで知られるノーランですからね
ホントこの人は
効率性よりも
実物の光をフィルムに焼き付ける質感や
あくまで映画は
巨大スクリーンで観るもの
という
ちょっと今どき珍しい
昭和な⁈感性の持ち主なんですよね
(イギリス人ですが…)
おっと
ついIMAXの技術的な話に
終始してしまいましたが
でもよくよく
この偏執狂的なまでの
映像に対するこだわりこそが
ノーランの映画作家としての特異性
特筆すべき点だと実感する次第です
いやあ
これは映画館で観ないと損ですね
『ダークナイト』も
『インターステラー』も
映画館で観てこその
圧巻の迫力でしたが
この『オデュッセイア』に至って
ノーランのヘンタイ性は極まったと言えましょう
と
豪華出演陣も見逃せません
主演のマット・デイモンは
よくぞまあ身体を作ってきましたね
生身の傷だらけの英雄を
まことリアルに演じきっています
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妻役のアン・ハサウェイも
毅然とした振る舞いで
大人の魅力を醸し出していていいですね
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というわけで
『オデュッセイア』
いやあ
もう圧巻の一語ですね
驚異の映像と音を駆使した
ノーランの堂々たる演出
稀有壮大なギリシャ神話の世界観
まさに規格外のスケールの
どストレートな王道映画
あらためて
こういうすごい映画は
何はともあれ
映画館で観るに限りますね
稀に見る超大作
是非とも必見です
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おまけ
ノーラン作品について
以前書いた記事です
◎『フォロウィング』→こちら
◎『ダークナイト』→こちら
◎『TENET テネット』→こちら
◎『オッペンハイマー』→こちら










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