湯船のなかで安部公房
湯船に浸かりながら
本を読むのが習慣になっています
お風呂場ではもっぱら
水に濡れてもいい文庫本にしてますが
あまりヘビーな本は
ちょっとのぼせますね
最近
なんか無性に星新一が読みたくなって
ブックオフで探していたら
ふと
安部公房が目に飛び込んできました
そうしてつい何冊か買い込んで
ただいま湯船のなかでせっせと読んでいます
◎『人間そっくり』
↓↓↓
いわゆるシチュエーション・コメディのような
軽妙なタッチながら
練りに練った論理展開で
読む者にあらぬ想像をかきたてます
自分は人間か…
火星人か…
誰も証明することができない不条理
安部得意の
パラドックス(逆説的)な世界が展開
◎『砂の女』
↓↓↓
砂の中にある家という
閉ざされた設定の中で繰り広げられる
男と女のドラマ
もがけばもがくほど
ドツボにはまっていく蟻地獄…
砂に対する描写が
とにかくリアルで
読んでいて思わず息苦しくなります
執拗な…
粘っこい…
体中にべとついて離れない…
現実社会の様々な隠喩にあふれています
砂というとらえどころのない
形のない
常に流動する性質のものを通して
人間の黒い本質をあぶり出します…
いやあ
シュールです
ちなみに勅使河原宏監督が映画化した
『砂の女』(1964)
これも傑作です
◎『笑う月』
↓↓↓
安部公房が見たとめどない夢の断片17編
現実に対する
なんらかの反映ととらえられるのでしょうか
とても不気味で
ブラックなユーモアにあふれていて…
この人にとっては
どうやら夢が創作の源泉のようです
つくづく作家ですね
◎『カンガルー・ノート』
↓↓↓
ただいま読んでる最中で~す
いやあ
それにしても
安部公房…ハマっています
↓↓↓
砂の中から当分出てこれそうにないですね
おっと
ここは砂の中ではなくて
湯船の中でしたっけ(!)
そうこうしているうちに
いつのまにか
茹でガエルのように
のぼせ上がってしまいそうです
と
突然ですが
ただいま六本木に
『シュルレアリスム展』が開催中ですね
ああ
早く観た〜い
この記事へのコメントはありません。