ビアス『悪魔の辞典』
『悪魔の辞典』
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はじめて世に出たのが
1911年ですから
今から100年も前の本です
この本は
辞典のスタイルで
A~Zの順に
単語の意味を解説していったもの
ですが
タイトルからもお察しのように
本書で取り上げられる単語は
皮肉やブラックユーモアの衣をかぶって
再定義されています
著者の
アンブローズ・ビアス(1842-1913)は
辛辣な風刺で知られた
アメリカ人ジャーナリストです
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ビアスにかかれば
同じ単語が正反対の意味合いを帯びてきます
う~ん
まさに
物事には常に二面
あるいは多面性があるということを
この本は
ユニークな視点
鋭い洞察力をもって
教えてくれます
本書の内容の中には
少なからぬ悪意も含まれているので
一概にどうとは言えませんが
いやあ
しっかし面白いです
以下
目に留まった単語を列挙~
◎【CLOCK(=時計)】
いかに多くの時間がまだ自分に残されているか念を押してくれるので、未来に対する危機が和らげられる、人間にとっては道徳的な価値が大いにある器械。
◎【EMOTION(=感動)】
心臓から頭部へ血液が流動されることにより引き起こされる、身体が衰弱していく病気。時として目から水和した塩化ナトリウムをおびただしく放出させる症状をともなうことあり。
◎【ERUDITION(=学識)】書物からカラッポの頭蓋骨の中にふるい落とされた埃。
◎【FRIENDSHIP(=友情)】天気の良い日は二人くらい十分乗れるが、悪い日にはたったの一人しか乗れない船。
◎【HABIT(=習慣)】自由を束縛する手錠。
◎【HAPPINESS(=幸福)】他人の不幸を見ているうちに湧き起こる快い気分。
◎【HOPE(=希望)】欲望と期待とがまるめられて一つになったもの。
◎【LOVE(=恋愛)】患者を結婚させるか、あるいはこの病気を招いた環境から引き離すことによって、直すことができる一時的精神異常。
◎【NOVEL(=小説)】引き伸ばされた短編小説。
◎【PEACE(=平和)】国際関係で、戦争と戦争との間のだまし合いの期間。
◎【TELEPHONE(=電話)】いやな人間を近づけないでおくといった便利さを若干捨てさせる悪魔の発明品。
◎【YEAR(=一年)】365個の失望からなる一区切りの期間。
う~ん
おそらく
このビアスって人
相当性格悪かったんでしょうね…
でも
なるほど~
と思わせる箇所満載です
物事を考える際の一方の側である
ダークサイド…
この誰もが持っているであろう
“悪魔”の一面を
こっそりと突きつけられているようで…
心憎いかぎりです
まあでも
少なからず
思考の幅を拡げることにつながる一冊です
是非おススメ…
いやいや
できませ~ん
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