映画『ミッドサマー』

2019年製作

アメリカ、スウェーデン合作の

『ミッドサマー』

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監督は

長編デビュー作『ヘレディタリー 継承』(2018)

高い評価を集めた

アリ・アスター(1986-)

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本作は彼の監督2作目にあたるのですが

はっきり言ってヘンタイですね

この若き監督は

以下、サイトよりストーリーを転載

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不慮の事故により家族を失ったダニーは

アメリカの大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人で

スウェーデンを訪れた

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彼らの目的は夏至(ミッドサマー)

奥地の村で開催される

90年に一度の祝祭」への参加だった

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ここは太陽が沈むことがない

人里離れたヘルシングランド地方

森の奥深く

美しい花々が咲き誇るホルガ村を訪れた5人は

白夜のもと

優しく穏やかな村人たちから歓待を受ける

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そこは住人たちが陽気に歌い踊る

楽園としか形容できない

幸福な場のように思えた

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しかし

そんな幸せな雰囲気に満ちた村に

不穏な空気が漂い始め

ダニーの心は次第にかき乱されていく

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妄想、トラウマ、不安、そして恐怖

それは想像を絶する悪夢の始まりだった

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う〜ん

怖い

怖すぎる

何なんだ

この異様なまでに明るい世界は

美しい花々で囲まれた緑の楽園

穏やかで満ち足りた空気

ゆえの

全編を覆う

この薄気味悪さ

一体全体

これから何が起こるのか

そりゃもう

恐ろしい惨劇が待ってるに違いないでしょ

という不安と期待がないまぜになった僕の予想を

って

事実そうなのですが

しかし本作は

安易な想像をはるかに凌駕する破壊力を伴って

観る者を驚愕と恐怖の渦へと突き落としてみせます

悪夢の始まりを告げる形となる儀式

その戦慄の光景

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いやはや

想像を絶する

とはまさにこのこと

それはそうと

本作にて

文字通り

ディープ・インパクトをもたらす

この痩せ細った老人は

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なんと

あの『ベニスに死す』(1971)

美少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンだそうで

ハハハ

マジか

悪い夢を見ているとしか言いようがない

別の意味での衝撃に打ちひしがれた僕がいましたね

ふと

本作を観ていて

どこか1973年製作の不気味なイギリス映画

『ウィッカーマン』(ロビン・ハーディ監督)を想起しましたが

どうやら元ネタのようです

つくづく

多分に濃厚なカルト的共同体の

一種異様なムード

厳しく課せられる村の掟

そうした上に成り立っている絶対的な調和

このどこまでも平穏な世界

そしてそこで繰り広げられる

90年に一度、9日間の祝祭(=夏至祭)

映画が進行するにつれて

いや増す不安

つまるところ

一体全体

ここで何が行われているのか?

その実態やいかに

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(以下、ネタバレご免)

ここホルガ村に伝わる特異な風習

それは

人を生贄にする

という習慣です

ここはキリスト教とも違った

古来より北欧に伝わる

いわば原始宗教が代々根づいている地

って

生贄に捧げる人を選ぶための儀式

村のルールに則って進められる一連のプロセス

う〜

これがまたいちいちヤバいんです

それらは祝祭的な華やかさでもって

どこまでも陽気で楽しく

過剰なまでにポジティブなテンションを終始保ちながら

粛々と遂行されていきます

白夜の明るさと不思議に相まった

グロテスクな行為の数々

ふと

多用されるシンメトリーの構図

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潔癖すぎる画面構成が

より不安を掻き立てます

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また真正面を向いて

カメラを見据える人物の構図なども

異質な空気感を醸成

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とにかく本作は

どのジャンルにも当てはまらない

いまだかつて観たことのない

意表を突いた表現の新しさに満ちています

なんといっても

トラウマ必至の

性の儀式

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(直接のシーンはどうかご勘弁を…)

その場面を目撃したダニーを取り囲んで行われる

集団号泣の異様

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群集心理を煽るような独特の踊りや型()など

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観ていて

こっちまでおかしくなりそうです

アスター監督は撮影に際し

事前にヨーロッパの自然崇拝や多神教の信仰を

徹底的にリサーチしたそうで

本作にはそうした宗教的モチーフが

随所に散りばめてあるようです

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とまあ

言葉でうまく言い表せず

もどかしい限りですが

恐ろしいのなんのって

神殿が燃え盛るクライマックスは

もう笑うしかありません

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アスター監督は

「ダニーは、悲しみや抑圧から解放させてくれる祭りに引き込まれ、狂気に堕ちた者だけが、味わえる喜びに屈しました。ダニーは、自己を完全に失い、ついに自由を得ました。 それは、恐ろしいことでもあり、美しいことでもあります。」

とコメントしています

つくづく

やっぱりヘンタイですね、この監督は

というわけで

『ミッドサマー』

美しい狂気に彩られた無二の世界観

一見の価値ありな恐るべき怪作

これは是非とも()

おススメです

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