映画『お茶漬けの味』とパチンコ論
日本を代表する巨匠
小津安二郎監督作品
『お茶漬けの味』
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1952年製作のこの映画は
日本が戦後復興から朝鮮特需を経て
いよいよ経済発展を遂げようとする
真っ只中の時代背景の下
ある夫婦の価値観の違いからくる
すれ違いと理解を描いた佳作です
小津監督得意の
家族のあり方の一つの変調です
そして価値観の多様化した
現代社会の萌芽を見出すことができる本作には
様々な社会風俗が描かれています
そんな中で
劇中
パチンコ屋さんが映され
主人公たちが
パチンコのことを論じ合うシーンがあります
とても印象深いシーンです
以下
劇中のセリフを引用
……………………………
「う~ん
しかしパチンコも
ちょいとやみつきになるね」
「そうですか…」
「つまり
なんだな…
大勢の中にいながら
安直に無我の境に入れる
簡単に自分ひとりきりになれる
そこにあるものは自分と玉だけだ
世の中の一切のわずらわしさから離れてパチンとやる
玉が自分だ
自分が玉だ
純粋な孤独だよ
そこに魅力があるんだな
幸福な孤独感だよ…」
……………………………
どうですか
この深いセリフ
(…途中聞き取れない言葉もありましたが
ちゃんと調べました)
ちょいと理屈が先走った感は否めませんが
パチンコという遊技の本質を
見事に言い当てていると思います
映画の中で描かれるパチンコ屋さんは
十数台しかない小さな個人商店ですが
それに比べると
今のパチンコホールの様変わりした姿と言ったら
でも時は移ろい…
時代は変われど
あの当時の空気は
やはりなくしてはいけないような気がします
今日は敬老の日
果たして
おじいちゃん、おばあちゃんにとって
いまのパチンコホールはどう映るんでしょうか
すっかりきらびやかで
機械じかけになった現在のパチンコホールは
居心地のよい空間たりえているんでしょうか
あの当時を知るお客様がどれだけいらっしゃるか
容易にはわかりませんが
いつまでもお年寄りの方たちにとっての
憩いの場であらねばなるまいと
強く思います
更なる営業努力が求められますね
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