クリエイティビティのいま
前回
日本映画産業復興の経緯について
少し触れましたが
さらに踏み込んでいくと
大切なのは
映画を鑑賞する際の
設備環境などのハード面と
提供される作品そのものの
質量合わせたソフト面
これらが両輪となって
共に充実していることが絶対条件で
どちらが欠けてもダメ
これは遊技業界における
まさに
ホールとメーカーにも当てはまりますが…
実際のところ日本のみならぬ
今のアメリカをはじめとする先進国の映画産業
もとより映像メディア全体を見渡した際に
僕なりに感じるところでは
ハード面
これはシネコンほか
年々拡充を続ける映画館などの
設備環境だけでなく
TVの地上波や衛星放送、ケーブルTVなどが
有する膨大なチャンネル数に対して
う〜ん
おそらくは
ソフト面
つまりコンテンツの数が
圧倒的に足りていないんじゃないでしょうか
よくよく供給不足
これは早い話がネタ不足
ということは
作る側の頭が追いついていない
アイデアが不足している
これ何よりの証拠
近年のハリウッドのリメイク志向は
まさにその表れ
肝心要の中身が底をついているので
CGや3D、4Dなど映像技術の発展で
言っちゃなんですが
どうにか
ごまかしているだけではないでしょうか
でも実際
映像的には目を見張るものがあるので
それはそれで面白いのですが
こと脚本に関しては
歩みが遅いように思いますね
って
ならば人間が頭をふり絞るのみならず
いっそAIに任せてみてはいかがでしょうか
と
約2年前の2016年6月に
ロンドンで開催されたあるコンテストで
AI(=人工知能)の脚本による
9分のSFショートムービー
『Sunspring』
が上映されたことは記憶に新しいところで
AIが脚本を書いた
世界初の映画作品ということで
少なからず話題になりました
クリエイティブな分野におけるAIの活用は
音楽や小説などで
早くから試みられているところですが
その創作プロセスを探ってみますと
スーパーコンピュータを活用するのではなく
プログラミングとアルゴリズムのアイデアで
脚本を作ることが可能なんだそうで
一からオリジナルを作るのではなく
過去の作品の脚本を学習させ
セリフのやりとりのパターンを
幾通りも読み込んだ上で
作品として仕上げる
つまりは過去の脚本の
いわば体の良いデータベース化の
これ産物である、と
いやいやいや
これは決してバカにしてはいけない話で
今の時代
過去の作品を引用しない
独自のオリジナル作品が
一体どれだけあるのか⁈
よくよく考えてみてほしいですよね
実際1%にも満たないんじゃないでしょうか
う〜ん
次から次へと
大量に生産し続けなければ回っていかない
この大衆消費社会においては
クリエイティブな分野ですら
自動化や効率化が求められるということ
まあこれは
大変憂慮すべき話ではありますがね
と
つい悲観的な話に収束してしまったところで
最後に明るい話題を
ただいま日本全国に旋風を巻き起こしている
わずか300万円という
超低予算で作り上げた
話題の自主製作映画
『カメラを止めるな!』
↓↓↓
映画作りへのどこまでも真摯な姿勢
作り手たちのほとばしる情熱
充満するエネルギーが
思いもよらぬアイデアや発想を生む
これはまさに好例
ホントこんな素敵な映画
そうめったに出会えるものではありませんね
必見です
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