映画『ネオン・デーモン』

2016年公開
フランス・デンマーク・アメリカ合作の
『ネオン・デーモン』
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監督はデンマーク出身の異才
ニコラス・ウィンディング・レフン(1970-)
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異質な映像
明らかに普通と違う感性の持ち主ですね
本作は監督のイメージする
耽美なビジュアルセンスが爆発した
ダークなサスペンス・スリラーです
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トップモデルを夢見て
田舎からロサンゼルスに上京してきた16歳のジェシーは
その天性の魅力で
たちまち一流デザイナーや有名カメラマンの目に留まり
順調なキャリアを歩みはじめる
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そんな彼女に対し
モデルたちは激しいライバル心を燃やすが
ジェシーもまた次第に
自身の中に眠っていた欲望や野心に目覚めていく…
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無表情の人物たち
終始ゆったりとしたテンポ
人工的なライティングによる
シャープでヴィヴィッドな映像
前衛的なカットや
シンメトリーを多用したある種の様式美
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煌びやかなファッション業界を舞台にした本作は
しかしその一方で
美に取り憑かれた女たちの
嫉妬と憎悪が渦巻く
底冷えするような闇の側面を
執拗に炙り出します
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と
主演のエル・ファニングは
確かにかわいいのですが
皆が羨む絶世の美女
といったタイプとはちょっと思えず
むしろ若いということが
本作のキーワードになっているのかもしれません
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16歳のあどけない美しさのジェシーに対し
20歳を過ぎたモデルたちには
ナチュラルさがなく
全身整形しているモデルもいたりして
血が通っていないマネキン人形のような
いわば人工的な美しさです
そして
(ネタバレ御免)
ジェシーの持つ溢れんばかりの若さへの
狂おしいまでの思いが昂じて(⁈)
なんと
あろうことか
“食べちゃう”
…という衝撃
ハハハ
びっくりしましたね…
レフン監督の
何かトンデモ映像を見せてやろうという
したたかなまでの気概が垣間見れます
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…が
しかし
本作最大の目玉(!)である
“カニバリズム”を
あえて慎ましく
象徴主義的に撮ったはいいですが
描き方としては
どうにも思わせぶりで
手抜きというか
怠惰な印象を拭えず
せっかくミステリアスなムード
狂気をはらんだ不穏な世界観を
全編にわたって構築してきたのに
なんというか
ここはブレーキではなく
アクセルだろ
っていう演出上の判断ミスといいましょうか
不完全燃焼なモタついた感が
う〜ん
僕的には何とも惜しかった…
美と醜の鮮烈なコントラスト
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とはいえ
ジェシーの性的な動機や妄想の比喩表現
それらを視覚化した夢のシーンなど
本作はあっちこっち
気になるシーン満載で
それはそれで
こういう変わり種の映画は
僕はちょっと嫌いじゃないなぁ
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というわけで
作品の出来はともかく
レフンの確かな作家性
アブノーマルな美意識が
如実に表れた異色作です
って
でも
あまりオススメはできないかな
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