映画『セリーヌとジュリーは舟でゆく』
1974年製作のフランス映画
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』
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監督は
ヌーヴェルヴァーグの時代から第一線で活躍した
フランスの名匠
ジャック・リヴェット(1928-2016)
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いやあ
久々に再鑑賞できて感激でした
リヴェットのまぎれもない最高傑作
193分という長尺が全く長く感じません
タイトルを聞いただけで
心浮き足だつ僕がいます
…
パリの公園のベンチで魔術の本を読んでいたジュリーは
そこを通りかかったマジシャンのセリーヌと出会い
なんとなく意気投合
そうして2人は気ままな共同生活を始める
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やがて郊外の屋敷に引き寄せられた2人は
そこで起こる少女毒殺に至る物語の断片を
度々幻視し
結末を変えようと物語の中に入り込み
少女を助け出そうとする
…
う〜ん
なんとも
奇妙奇天烈な冒険譚です
と
屋敷内の物語を幻視するための方法は
魔法のキャンディを舐めること
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物語の中の看護師として自分たちも入れ替わりで出演
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終盤
物語に潜入した2人が少女を助けるくだりは
もうハチャメチャで
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登場人物たちはなぜか亡霊のような白塗りメイクで
動きもぎこちない…
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などなど
どういう設定なのかわかりませんが
おかしなルールのもと
映画は
どこまでも遊び心満載で
自由奔放に展開していきます
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『不思議の国のアリス』に着想を得たと言われる本作には
リアルとファンタジーの奇妙な融合
即興によるセリフ回し
演劇的な手作り感
丹念な仕掛け
劇中劇の様相
幻視する=舞台を観るような構造など
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いやはや
リヴェット演出の特徴的な要素が
随所に見られます
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何より主演の2人が魅力的で
抜群のコンビネーションを発揮
セリーヌ役に可憐なジュリエット・ベルト
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ジュリー役に姉御肌のドミニク・ラブリエ
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2人のアドリブ
おかしなやりとりの一部始終を
ひたすらカメラが収めている感じ
とにかく2人が自然体の演技で
リラックスしていて
やりたい放題で
まあ観ていて
楽しいこと
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70年代だけあって
彼女たちのサイケなファッションや小道具もまた新鮮で
よくよく
現実に材をとりながらも
まるでおとぎの国にいるような
奇妙な異世界に転換してしまう
魔術師リヴェットの
まさに面目躍如といったところですね
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陽の光で川面が揺らめく中を
タイトルの通り
舟でゆくセリーヌとジュリー(と救い出した少女)
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現世と来世
現実と虚構が
邂逅を果たしたような
幻想的なシーン
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そんなこんな
この長い映画は
不思議な円環構造を有し
スタート地点に舞い戻ったところで
終わりを告げます
いやあ
なんとまあ
魅惑に満ちた映画でしょうか
というわけで
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』
つくづく
リヴェットの魔術的な映像の真髄に酔いしれる
無二の世界観を持った傑作です
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