映画『スウィート・シング』

2020年製作のアメリカ映画

『スウィート・シング』

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監督・脚本は

ニューヨーク・インディーズ映画の雄

アレクサンダー・ロックウェル(1956-)

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マサチューセッツ州ニューベッドフォード

15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコは

普段は優しいが酒が手放せずトラブルばかり起こす父アダムと

3人で寄り添って暮らしている

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そんなある日

父アダムが強制的に入院させられ

他に身寄りのないふたりは

出ていった母イヴの住む家へと転がり込む

しかし母の恋人の男の粗暴さに危険を感じ

程なくしてふたりは家を飛び出してしまう

そうして偶然出会った少年マリクも加わって

3人の子どもたちは

あてどもない旅に出る…

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う〜ん

16ミリフィルムで撮られた

美しいモノクロ&パートカラーの映像は

まるで

プライベート・フィルムのように

素朴で温かみのある風合いで

観る者を優しく包み込んでくれます

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散りばめられた

詩的ショットの数々…

陽の光の眩しいまでの輝き

ほとばしる花火の炎

水の中の非日常

画面に溢れる水泡の幻想的な様

ふと

アメリカ実験映画の父

ジョナス・メカス(1922-2019)の映像を

彷彿させる本作は

全編にわたって

瑞々しく

自由気ままで

パーソナルな空気に満ち満ちています

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モノクロの世界に

時折映し出されるカラーのシーンの

目を見張る美しさ

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アップで捉えた

子どもたちの素の表情

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ピュアで優しくも

どこか切なく空虚な瞳

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主人公の姉弟は

監督の実子ラナとニコで

2人とも

ありのままの表情と佇まいで

本当に素晴らしい演技を見せてくれています

また母イヴを演じるのは

監督の実際のパートナー

カリン・パーソンズ

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いやあ

どおりでプライベート感があるはずだ

ちなみに

憎めないアル中の父アダムを演じるのは

名脇役で知られるウィル・パットン

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家を飛び出した3人が辿る

楽しくも悲しい1日

後先考えず

その場その場を生きる子どもたち

儚くも一瞬のきらめきに満ちています

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つくづく

16ミリフィルムの

粗い質感の映像と相まって

映画は

リアルとファンタジーが

奇妙に融合したかのような

独特の世界観を宿します

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いやあ

なんてシンプルで

それでいて無二の映像表現でしょうか

心に染みる名曲の数々もいいですね

というわけで

『スウィート・シング』

鬼才ロックウェルによる

インディーズ精神溢れる

珠玉の一作

これはオススメです

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