映画『Flow』

春休みに家族で観ました
2024年製作のアニメーション
ラトビア・フランス・ベルギー合作の
『Flow』
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ラトビア出身の映画監督
ギンツ・ジルバロディス(1994-)が
監督・脚本・音楽・編集・撮影と
1人5役を務め
5年の歳月を費やして完成
って
しっかしまあ
驚異の映像体験ですね
観る者を惹き込まずにいられない
未知なる世界観の創出です
…
大洪水に見舞われた世界
森で暮らす1匹の黒い猫が
流れてきた船に乗り込み
乗り合わせた動物たちと冒険の旅に出る…
映画は
自然の脅威にさらされ
何度も危機に遭いながらも
動物たちが互いに助け合って
生き抜いていく姿を
主人公の黒い猫の視点で
全編セリフなしで
ビビッドに描写していきます
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と
最初は観ていて
遠い過去の話
というより
描かれているのは神話の世界で
ノアの方舟の話かな
と思ったりしましたが
巨大な動物の像の跡や
誰も住んでいない家や廃墟
何より一切人間が出てこない
などから
どうやら過去や神話ではなく
むしろ人類がいなくなった後の
遠い遠い未来が舞台だな、と
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しかし
ノアの方舟に見られるように
古代の神話において
大洪水によって文明が破滅するという展開は
ちょっと本作で描かれている世界と
符号が一致する点も見受けられ
よくよく
遠い未来は
遠い過去に起こったことの再現で
自然の摂理のまま
この世界は過去から未来へと
同じことを繰り返していると捉えることができ
つくづく本作は
歴史や神話が垣間見える終末期を舞台に繰り広げられる
動物たちの壮大な物語といえましょうか
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と
登場する動物たちは
黒猫と犬、カピバラ、猿、鳥たちと様々ですが
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こう
なんといいますか
黒猫をはじめ動物たちは
みな情緒豊かで
いわば人間的です
セリフが必要ないほど
動物たちの内面が
彼らの豊かな表情や動作から
手にとるようにわかります
それは手塚治虫からジブリ、ピクサーに至る
どんなアニメにも見られるかと思いますが
特筆すべき点として
本作の場合
そうした動物たちのキャラ造形が
アニメーションの幅を拡張させるほど
どこまでも精緻でリアルなのです
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さらには
洪水が押し寄せて
水位が上がり
呑み込まれていくシーンの
臨場感
没入感…
いやあ
もう目が離せませんね
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大自然を捉えた鮮やかな色彩
風になびく草木や虫たち
動物たちの豊かな感情表現と所作
まさに圧巻の音と映像です
大自然の猛威の前に
なすすべがないながら
それでも流れに身を任せ
逞しくしなやかに生き抜いていく
黒猫と動物たち
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と
劇中に登場する
巨大な鯨のような生物
あれは一体何でしょうか?
鯨というより
シーラカンスかなと思いましたが
すごい迫力でしたね…
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また鳥が
聖なる存在(⁈)となって
天に飛翔していくシーンの
なんとまあ美しいこと…
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あと
度々鏡に反応し固執する
ワオキツネザル
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鏡は古来より
光を反射する神秘的な道具として
権力者が力を誇示するために
魔除けや祭りの儀式に使用したという由来がありますが
本作のワオキツネザルを見ていると
どこか人類のルーツを彷彿させますね
とまあ
そんなこんな
観ていて
様々な見方や解釈が
イマジネーション豊かに
頭の中を自由に駆け巡ります
何より洪水をはじめ
流れる水のイメージが
至るところに表現されていて
溢れる生命力を
そして神の領域に達した
自然の力を
映画の端々に感じとることができます
いやあ
素晴らしいですね
というわけで
『Flow』
これは傑作
是非とも映画館へGO!
最高の映像体験を味わえること
間違いなしです
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