映画『ヨーロッパ』

1991年製作
デンマーク/ノルウェー/フランス/ドイツ/スウェーデン合作の
『ヨーロッパ』
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監督はご存じ
世界を騒がす問題児
ラース・フォン・トリアー(1956-)
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…
第二次世界大戦が終結して間もない
ドイツを舞台に
アメリカ人の見習い車掌が
ナチスのテロ事件に巻き込まれていく様を
モノクロをベースに
カラーやパートカラーを織り交ぜた
凝った画作りで表した異色作です
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う〜ん
取り上げといてなんですが
観ていて
正直ちょっとかったるいなぁ
昔観た時は
もう少し面白かった気がするんですけどね…
まあ観る側の心境の変化
といいますか
いつどんな状態のときに観たのかで
その映画に対する印象も
全然違ったりしますからね
って
今回久々に再鑑賞しましたが
ホント
ストーリーはどってことない…
ありきたりなメロドラマ調で
まあ退屈な展開ですね
が
しかし
…なんですよ
冒頭
鉄道が走るレール
不穏な音楽とともに
観る者に静かに語りかける
催眠術的な悪夢への誘い
これによって
フッと惹き込まれる感覚があります
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と
本作の主人公ケスラーは
ドイツにやってきた
ドイツ系アメリカ人の若者
演じるジャン=マルク・バールの
なんとも生真面目一辺倒で地味なキャラ設定
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雑然とした汽車の現場感
蒸気の煙
醸し出されるアナログの味わい
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車掌はじめ不気味な人物造形
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静かに淡々と
展開していくリズム
う〜ん
ディテールの積み重ねによって
全編に帯びる
息苦しさ
焦燥感
何でしょうか
この
追われる感じは…
何より
本作の魅力は
この切迫したシチュエーションを捉えた
迷宮的な映像表現の妙に
これ尽きると言えましょうか
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つくづく
第二次世界大戦終了直後の
ドイツの混乱
荒廃した国土
すべてを失った人々
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総じて
ヨーロッパに漂う不安
全編を覆う憂鬱
虚無感
いわば
ニヒリズムを表した
この表現主義的な映像の数々です
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物語の終盤
ナチスの残党によって構成された
テロ組織「人狼(=ヴェアヴォルフ)」に
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恋仲の社長令嬢カタリナが
属していることを知ったケスラーの苦悩
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「人狼」の不穏な動き
蔓延する猜疑心
そこに関わる意外な面々
そうした経緯から
「人狼」による列車爆破に
自ら関与することになり
結果、鉄橋から川へ転落した客車の中で
ケスラー自身も溺れ死ぬ…
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ケスラーの最期に至って
この鬱陶しいまでの窮屈さは
沸点に達します…
ふぅ
この
不穏かつ沈鬱なムード
爆破までの刻々と迫る時間概念
悪夢の迷宮のような
深遠で幻想的な世界観に
いやあ
なんだかんだ
没入する僕がいますね
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というわけで
『ヨーロッパ』
若きトリアーの才気に
あらためて感心することしきりな佳作
まあ
あまりオススメはできませんが
それでも
僕のようなマニアックな方には
是非とも必見です
おまけ
トリアーの作品について
以前書いた記事です
◎『アンチクライスト』→こちら
◎『ダンサー・イン・ザ・ダーク』→こちら
◎『ハウス・ジャック・ビルト』→こちら
◎『エピテミック〜伝染病』→こちら










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