映画『砂漠の流れ者』
古き良き西部開拓時代への愛惜の念
ほのぼのとセンチなまでに
心温まる西部劇
う〜ん
果たしてこれがあの
『ワイルドバンチ』や『ガルシアの首』など
と同じ監督の作品なのか
“バイオレンスの巨匠”と謳われた
サム・ペキンパー(1925-1984)が
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1970年に撮った佳作
『砂漠の流れ者』
原題は『ケーブル・ホーグのバラード』
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仲間に裏切られ
砂漠のど真ん中で一人取り残され
数日間飲まず食わずでさすらった末に
ようやく水を掘り当てたケーブル
やがてそこに駅馬車の給水所を作り
砂漠での生活を始めるのだが…
描かれている時代背景は
西部開拓時代の終焉の始まり
移動手段が
馬車から自動車に変わろうとする
まさに転換期
しかし
男は変わることができない
新天地へ思いを馳せても
結局は
荒れ果てた砂漠の地にとどまり続け…
時代に取り残された男の
滑稽で切なく
しかし人間味に溢れた生き様
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主人公を演じたジェイソン・ロバーツが
狡猾だがお人好しな
人間臭いキャラクターを好演
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と
つくづく
ペキンパーのフィルムって
ちょっと独特で異質なんですよね
乾いた風情とでもいいましょうか
その映し出される映像には
しばしドキュメンタリーを観ているような臨場感
リアルな空気感が醸成される一方で
出てくる人物たちは
皆とっても情感豊かで生き生きとしている
つまり
役者たちは演技を離れて
まさしく映画の中を
実際に生きているかのよう
う~ん
むしろそれを演技と呼ぶのかもしれませんが…
即興も含めて
役者たちは
自身のパーソナリティ
素養を晒け出し
いつまでも収束する気配を見せなかったりします…
そして
カメラは延々その生の姿を刻印し続けます
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どこまでも自然でリアルな情景と
役者たちの佇まい
まあニューシネマの時代のフィルムは
往々にしてそんな雰囲気を宿していますがね…
いやあ
いずれにせよ
得意のスローモーションによる
バイオレンス描写は言うに及ばず
ペキンパーの映画に漂う
ある種
時間の感覚を忘れさせるような
無心で
純度の高い
そんな世界観が
僕は好きですね
そして
これまたペキンパーの映画に底流するテーマ
シンボリックなまでの
敗者の美学
滅びゆく者へのロマンです
って
う〜ん
ついつい
自分の今置かれている環境と
重ね合わせてしまう今日この頃でして
翻って
わが遊技業界の行く末やいかに⁈
斜陽産業
衰退への道
滅びゆく末路…
なんとかかんとか
踏ん張って押し戻したい
でも時代の流れには逆らえず
いやいや
なんのなんの
わが遊技業界は
これからまさに馬車から自動車への転換期を迎えるのだ、と
さあその上で
果たして自社は
そこに乗れるのか乗れないのか⁈
おっと
話がすっかり飛んでしまいましたね
失敬失敬…
というわけで
『砂漠の流れ者』
ペキンパーらしからぬコミカルな演出も散見される
まことレアな異色作
あらためて必見です
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