ウィトゲンシュタイン『反哲学的断章』

前回に引き続き
言語哲学の巨人
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(1889-1951)
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…の本をご紹介
未公刊の膨大なメモの数々を
まとめたエッセイ集
『反哲学的断章』
↓↓↓
う〜ん
とかく難解な文章づくしの
ウィトゲンシュタインの本の中で
本書はかなりサクッと読めますかね
哲学のみならず
宗教、音楽、文学、建築、映画など
様々なジャンルについて
縦横無尽に独自の論を展開
ということで
本書の中から比較的短い文章で
気になった箇所を
以下
ザザッと抜粋
↓↓↓
◎人間の視線には、事物を価値あるものにするという性質がある。ただしそうなると事物の値段も高くなるが。
◎自然にだけ語らせよ。自然の上位にあるものとして認められるのは、ただひとつ。それは、人間が考えられるようなものではない。
◎私の理想はある種の冷たさである。情熱に口をはさむことなく、情熱を取り囲む寺院。
◎時代に先行しているだけの人間は、いつかは時代に追いつかれる。
◎コペルニクスやダーウィンの本当の功績とは、真の理論を発見したことではなく、実り豊かな新しい見方を発見したことである。
◎自分を、精神だけでふくらんだ空っぽのチューブとして見せなければならないのは、恥ずかしい。
◎何も言わないのに匹敵するほど、素晴らしいことを言うのは、芸術では難しい。
◎哲学に対する私の態度は「そもそも哲学は、詩のように作ることしかできない」と言う言葉に要約できるだろう。この言葉から、私の思考がどこまで現在の、未来の、あるいは過去のものであるかが、わかるような気がする。この言葉によって私は、自分のやりたいことを完全にはできない者だと告白しているわけだから。
◎感覚に働きかけないもの、たとえば数、の方が、「純粋」である。
◎仕事の光は美しい。だがそれが本当に美しく輝くのは、別の光に照らされたときだけである。
◎自分を欺かないことほど、難しいことはない。
◎音楽の目標は感情を伝えること。
◎嘘をつくより、本当のことを言う方が、しばしば、ほんのちょっと苦痛なだけである。甘いコーヒーを飲むより、苦いコーヒーを飲む方が、ほんのちょっと苦痛なように。それなのに私は、どうしても嘘をついてしまう。
◎「とらえ方」が異なれば、使い方も異なってくるはずである。
◎他人を手本とするのではなく、自然を導きの星とせよ。
◎信じるのだ。損するわけじゃないのだから。
◎ひとりの個人が感じる苦境より、もっと大きな苦境を感じることはできない。ある人間が絶望しているとき、それこそがこの上ない苦境なのだから。
…
とまあ
こんな感じで書き連ねてありまして
つくづく
深い洞察と独特の味わいに満ちたエッセイだなと
感銘を受けた次第です
というわけで
ウィトゲンシュタイン
たまにはいいものですよ
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