映画『プロスペローの本』
1991年製作
イギリス・フランス・イタリア合作
『プロスペローの本』
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監督・脚本は
イギリスが誇る鬼才
ピーター・グリーナウェイ(1942-)
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う〜ん
この人の映画は
どれもすごいですね
絵画、文学、もちろん映画と…
芸術全般における造詣の深さ
溢れ出る教養、博識を
どぎつくて奇怪な表現で包み込んだ
独自の美意識に貫かれています
まあ一種の
フェティシズム癖といいますか
明らかに変態ですね
この人は…
でも
それゆえに
グリーナウェイの放つ毒気に
つい病みつきになる人も多く
って
何を隠そう
僕もそのひとりですかね
いやはや…
ということで
本作『プロスペローの本』は
シェイクスピア最後の戯曲
「テンペスト」を原案に
グリーナウェイが
独創的な映像美で描いた復讐劇です
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…
ミラノ大公プロスペローは
12年前に
ナポリ王アロンゾーと共謀した弟アントーニオに国を追われ
娘のミランダとともに絶海の孤島に幽閉される
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アロンゾーへの復讐心を燃やすプロスペローは
友人ゴンザーローから貰った24冊の魔法書を
長い年月をかけて読み解き
やがて強大な力を得る
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島にいる
怪物キャラバンや妖精エアリエルを操り
実際に嵐を起こして
アロンゾーの船を難破させ
自分の島におびき寄せることを画策する…
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劇中
プロスペローは
「テンペスト」というタイトルの
壮大な復讐劇を自ら創作し
映画は
その映像化という形式で
創造主プロスペローの意のままに進行します
主演は
イギリスを代表するシェイクスピア俳優
ジョン・ギールグッドで
セリフは全編
彼のナレーションという趣向
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複数の映像の合成
多用されるシンメトリーの構図
緻密に配置された人物やセットの構成
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書物の巻物のように
移動撮影による横スクロールで展開される
サッシャ・ヴィエルニの撮影による
めくるめく豪華絢爛な映像世界
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日本人デザイナー、ワダ・エミによる
キッチュな衣装デザイン
(登場人物たちの多くがほぼ裸ですが…)
奇怪なダンスの出演者たち
何より
マイケル・ナイマンの荘厳な音楽
などなどが
組み合わさって創出される
無二のビジュアル表現に
その異様な美しさに
観る者は
ただただ
息を呑むばかりです
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まさに美の饗宴
とでもいいましょうか
グリーナウェイは
シェイクスピアの古典戯曲を
グロテスクなイマジネーションに包まれた
アングラな舞台劇に
大胆に再創造してみせます
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嵐をイメージさせる
水を多用した画作り
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さながらアートパフォーマンスのような
動き出す彫刻
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縦横無尽に繰り広げられる
その夢幻的な世界観に
思わず魅了されながらも
う〜ん
観ていて
つい食傷気味になる自分がいるんですよね
何せコッテリ風味で
映像がくどいんだよなぁ
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まあでも
あらためて
それがグリーナウェイの真骨頂であり
まぎれもない独創性なわけですね
いやあ
最高です
というわけで
『プロスペローの本』
鬼才グリーナウェイの
特異な美意識に貫かれた
詩的でアートな異色作
これは必見です
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