映画『マグノリア』

1999年製作のアメリカ映画
『マグノリア』
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監督・脚本は
ポール・トーマス・アンダーソン(=PTA、1970-)
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ただいま世界にその名を轟かす
鬼才、PTAが
若干29歳のときに撮った本作は
3時間超に及ぶ長編で
登場人物9人を軸に織りなす異色の群像劇です
…
現代のロスを舞台にした
ある1日の出来事…
余命いくばくもなく寝たきり状態の
元TVプロデューサー
アール(ジェイソン・ロバーズ)
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不倫と罪悪感に苦しむ若妻
リンダ(ジュリアン・ムーア)
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アールの付き添い看護士
フィル(フィリップ・シーモア・ホフマン)
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アールの息子で
ナンパのテクを説く
男性向け自己啓発セミナー講師
フランク(トム・クルーズ)
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生放送の人気長寿番組の司会者で
癌を患っている
ジミー(フィリップ・ベイカー・ホール)
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その娘で薬物依存に苦しんでいる
クローディア(メローラ・ウォルターズ)
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彼女に惹かれる誠実な警察官
ジム(ジョン・C・ライリー)
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クイズ番組で酷使される天才少年
スタンリー(ジェレミー・ブラックマン)
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かつて子役クイズ王だったものの
今ではすっかり落ちぶれてしまった
ドニー(ウィリアム・H・メイシー)
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などなど
一見無関係な人物たちは
TV番組
家族関係
過去のトラウマ
という共通項で結びついていることが
物語の進行とともに
次第にわかっていきます
特には
“父親に傷つけられた子どもたち”
という共通体験です
本質的な会話を通して
にわかに明らかになる
残酷な真実…
つくづく
偶然がもたらす世の中を生きる
メランコリックな登場人物たち
皆いろんな問題を抱えている
やがて
憎悪
後悔
疎外感など
負の感情が渦巻き
あっちこっちで暴発
文字通り
感情のるつぼと化し
そして…
突然のカエルの嵐(!)
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映画の冒頭で
“世の中には説明できない偶然がある”
という事例が
いくつか映し出されるのですが
ハハハ
何だこれは…
あまりのぶっ飛んだ展開に
驚きと衝撃を通り越して
もはや笑うしかない状況に…
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って
しかし
やがて
映画は
ふと
ある種の気づき
いわば啓示を示唆します
過去に
親から受けた傷が
癒やされるどころか
大人になっても
そのことに縛られ
いつまでも苦しみ続ける者たちが
偶然の邂逅や
感情の交差
そして
この超常現象を共有する中で
自ずと”救い”と”赦し”
そして”克服”へと
向き合うことになるのです
取り返しがつかないと思っていた人生を
もう一度やり直そうという
そんな一縷の希望をほのめかして
映画は終わりを告げます
ふぅ
偶然の連鎖といい
終盤のあり得ない現象といい
人智を超えた
何か目に見えない
大きな力を感じます
ある種
宗教的なニュアンス
視座の高さを感じさせますね
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いやはや
なんという
類稀なスケール
生々しいまでの感情の爆発
この若き監督PTAの
底知れぬ才能には驚くばかりですね
と
あらためて
役者たちが皆
素晴らしいの一語です
何より出色は
ナンパテクの熱弁を振るう若きカリスマ
トム・クルーズ(!)
エキセントリックなパフォーマンスが
もう最高です
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また劇中
人物たちが
行き詰まりを感じ
フラストレーションの昂りとともに
次第にボルテージが高まっていく様を
目まぐるしく移り変わる
人物たちのショットに合わせ
エイミー・マンの不穏な音楽が
絶妙な相乗効果を生む伴奏を見せ
ドラマの高揚を劇的に盛り立てます
いやあ
観始めると
一気に引き込まれ
3時間もあっという間の面白さ
つくづく
なんてすごい映画でしょうか
才気ほとばしるPTAの
秀逸な演出
複数の物語が同時進行で展開する
独創的なドラマ構成
音楽と編集の一体感
出演者たちの迫真の演技
もう何もかも素晴らしい
というわけで
『マグノリア』
これは必見
人生の光と影を映し出した
唯一無二の傑作群像劇です
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おまけ
PTAの作品について
以前書いた記事です
◎『ザ・マスター』→こちら
◎『ゼア・ウィルビー・ブラッド』→こちら
◎『ワン・バトル・アフター・アナザー』→こちら










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