アンヌ・ヴィアゼムスキーの時代
昨年亡くなったフランスの女優
アンヌ・ヴィアゼムスキー(1947-2017)
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享年70歳
…ですが
写真の時のような若い頃
主には
1960年代後半から70年代にかけての一時期
彼女は
ちょっと異質で特別な輝きを放っていました
アンヌは10代の時に
ロベール・ブレッソン監督の作品でデビューした後
かのフランスの鬼才
ジャン=リュック・ゴダール(1930-)に見出され
彼の新作『中国女』(1967)に主演
それが縁で
彼女が20歳の時に
当時37歳だったゴダールと結婚
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と
60年代後半といえば
68年の5月革命を象徴として
フランス国内で
民衆による反体制の機運が一気に噴出した
まさに激動の時代です
実際この頃ゴダールも
商業映画との決別を宣言し
政治的主張を信条とした映画を志向する
匿名の集団「ジガ・ヴェルトフ」を
仲間たちと結成し
その中心メンバーとして活動
まあゴダールの長いキャリアの中で
最も過激で先鋭的だった時代ですね
そしてその時分
アンヌは若干20歳そこそこの年齢ながら
妻としてゴダールに寄り添い
何より女優として
彼の作品やジガ・ヴェルトフ集団の製作現場に身を置き
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(『ワン・プラス・ワン』撮影風景)
他方でイタリアのパゾリーニやマルコ・フェレーリなど
世界の有能な監督の作品に出演し
まさに時代の先端を行く
クリエイティブな環境の中で
独自の感性を磨いていき
そうしていつしか時代を代弁する
いわばミューズとして開花していったのです
と
後年、アンヌが
60年代当時のゴダールとの結婚生活を含めた
そこらへんの実情を綴った本を出版していまして
なんと
この本を原作にした映画が
ただいま日本で上映中です
フランスのミシェル・アザナヴィシウスが監督した
題して
『グッバイ・ゴダール!』
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って
僕はまだ観ていませんが
この映画
タイトルからも想像できるように
上述したような物々しい時代背景を
軽やかにいなす恋愛コメディだそうで
う〜ん
予告編を観るかぎり
かなりポップな映画のようで
それもちょっとどうかなと
思う節はありますが
時代を先導したゴダールを取り巻く
混沌の時代を垣間見るには
とても興味深い一作に違いありませんね
そんなこんな
というわけで
次回は
アンヌ・ヴィアゼムスキーの印象的な出演作を
ご紹介していきたいと思います
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