『ベルナール・ビュフェ回顧展』

ただいま
渋谷Bunkamuraにて開催中です
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20世紀後半のフランスを代表する
具象画家の一人
ベルナール・ビュフェ(1928‐1999)
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ビュフェは
第二次世界大戦直後
サルトルやカミュの思想に呼応する形で登場し
抽象絵画が主流となる時代に
独自の具象絵画を持って一世を風靡した
知る人ぞ知る巨匠です
実は日本の静岡県に
世界で唯一の
ベルナール・ビュフェ美術館がありまして
今回そこに所蔵されている油彩を中心とした
約80点余りの作品が展示
孤高の画家の全貌を知る
またとない機会となりました
ということで
以下、主な作品をザザッとご紹介
◎《キリストの十字架降下》(1948)
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う〜ん
面白い
キリストのモチーフを
定規で引いたような縦と横の線
◯△□の単純な形状のみを用いて描写
平面的な空間に配された
ストイックで無機質な人物や対象物という構図
独自のスタイルを見てとれます
少年の頃の記憶が背景にあるようですね
◎《画家とモデル》(1948)
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抑制されたトーンによる渋い色味
細長く伸びた人物
実存的で虚無的な佇まいが
どこかジャコメッティの作品を想起させますね
◎《肉屋の男》(1949)
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ビュフェは
エコール・ド・パリの画家
スーティンの影響を受けたことを公言していますが
本作はまさにスーティンも好んで取り上げた
モチーフによる作品です
解体された肉塊が放つ生命力と
無表情で生気のない男との
奇妙な対比
◎《ニューヨーク:ブロードウェイ》(1958)
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突き上げるように縦に伸びる黒く太い線
ニューヨークに行ったビュフェが
その威容を誇る建築群に
自身の作風をストレートに投影させた作品
いやあ
それにしても力強いタッチです
◎《夜会服のアナベル》(1959)
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歌手、モデルのアナベルと結婚したビュフェは
大いなるインスピレーションを得て
彼女をモデルに多くの作品を発表
アナベルは生涯の伴侶となります
◎《ピエロの顔》(1961)
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「ピエロは変装したり滑稽にすることによって、自分を思いのままにすることができるのです。つまり自由なのです…」
ピエロはビュフェが度々取り上げたモチーフ
無表情だが
どことなくシニカルで
虚飾を剥ぎ取ったような本質を露にした顔
紛れもないビュフェの自画像ですね
◎《小さいミミズク》(1963)
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刃物で切り裂いたような激しく鋭い描写
う〜ん
圧倒的な存在感です
◎《赤い花》(1964)
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鮮烈な赤
ほとばしる絵の具
刹那的なまでの生命力とでも言いましょうか
◎《皮を剥がれた人体:頭部》(1964)
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グロテスクで激しい筆致
ビュフェの内面が表れた一作
◎《死16》(1999)
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私生活において
絶えず躁鬱に悩まされ
生涯にわたり死を意識し続け
作品へと反映させてきたビュフェの
最晩年の自画像です
彼はこの後、まもなく絵筆がとれなくなり
「絵画は私の命です。これを取り上げられてしまったら生きていけないでしょう」
という言葉を残して
1999年10月4日、自ら命を絶つのです
あらためてビュフェは
不安に覆われた
戦後フランスという時代の空気を
切れ味鋭い独自の描写でもって表現した
まこと稀有な画家であったと言えましょうか
というわけで
『ベルナール・ビュフェ回顧展』
必見です
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