映画『ファーゴ』
1997年製作のアメリカ映画
『ファーゴ』
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監督、脚本、さらに製作を分業するのは
ご存じ
ジョエル&イーサンのコーエン兄弟
主演は『ノマドランド』で
通算3度目となるアカデミー主演女優賞の快挙を成し遂げた
フランシス・マクドーマンド
実は
彼女とジョエル・コーエンは公私にわたるパートナー
おしどり夫婦として知られています
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マクドーマンドのコーエン作品への出演は7本に及びますが
中でも本作『ファーゴ』は
彼女が3度のうちの1度目のアカデミー主演女優賞を受賞した作品で
まあコーエン兄弟にとっても代表作の1本に数えられる傑作ですね
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…
雪景色に包まれたミネソタ州ミネアポリス
多額の借金を抱える自動車ディーラーのジェリーは
妻ジーンを偽装誘拐して
会社のオーナーである義父から身代金をいただこうと企てる
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ところが誘拐を請け負った2人の男が
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逃走中、ちょっとした成り行きから
警官と目撃者を射殺してしまう
翌朝、女性警察署長のマージが
臨月の身を押して事件の捜査に当たる
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マージは身重ながら
冷静な推理と地道な捜査で
少しずつ事件の真相に迫っていく
一方で事態は次々と負の連鎖をもたらし
予想もつかない方向へと発展していく…
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冒頭で
THIS IS A TRUE STORY(=これは実話です)
というテロップが流れるのですが
実際のところ
この話は
一体どこまでが実話なのか?
皆目わかりません
でも真偽の程はあやしく
どうやらコーエン兄弟のジョークのようですね
タイトルとなった『ファーゴ』も
物語の舞台となるミネアポリスの隣、ノースダコタ州の都市で
そこらへんもなんだか妙ですね
と
つくづく
“ありそうで、ない”
いやいや
こういうのは
実は意外に
”なさそうで、ある“
…のかも
一面、雪に覆われた寒い冬に
臨月でお腹が突き出た婦人警官が
不可解な殺人事件の捜査に奔走する
…なんて一見すると
ありえないシチュエーションを
いかにリアルな話としてまとめ上げることができるか
これはまさに
クリエイターとしての腕の見せ所で
ある意味、リスキーな試みと言えましょうか
しかし
そうした難題に挑むコーエン兄弟の
自負、力量、いわば気概が
密かな確信とともに映像の端々に見てとれ
結果
本作は
う〜ん
確かなリアリティとこの上ない説得力を
観る者にもたらしています
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劇中、地元の人たちが発するアクセントの強い訛り
とことん間の抜けた個性豊かな登場人物たち
シリアスとユーモアが紙一重のギリギリの線
ほんの出来心から生まれた狂言誘拐が
想定外のハプニングに見舞われ
やがて事件は凄惨な結末を迎えます
そこに至るまでに
周到に積み重ねられたディテールの妙
それらによって形成される完璧な世界観
いやはや
しっかし
予想を裏切る展開の連続には
何度観ても釘付けになりますね
つくづく
人間の持つ得体の知れない怖さ
倫理も道徳も良心の呵責も欠如した
いわば“動機なき殺人”という
現代社会を生きる人たちの中に見出せる
この不気味な特質を
ブラックでシュールなコメディとして結実させた
コーエン兄弟の手腕には
ただただ脱帽するのみです
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というわけで
『ファーゴ』
真っ白な世界で虚しく繰り広げられる
人間たちのどこまでも愚かで哀しい所業を
卓越した映像センスで鮮烈に描いた
コーエン兄弟の傑作
いやあ
今更ながらオススメです
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