映画『弾丸を噛め』
1975年製作のアメリカ映画
『弾丸を噛め』
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監督は
骨太の人間ドラマに定評のある名匠
リチャード・ブルックス(1912-1992)
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1970年代の頃のアメリカ映画って
どことなくフィルムが色褪せていて
中途半端な古さを感じさせるところが
逆に味があって僕は好きですね
70年代は既存のシステムに依らない
自由な映画製作を志向した
アメリカン・ニューシネマが花盛りで
しかしやがてこの波も失速してしまい
70年代中盤以降は
脱ニューシネマの空気も色濃くて
ニーズも価値観も多様化の兆しを見せ
ちょっと面白かったりします
そんな錯綜した時代背景の中で
製作された本作は
20世紀初頭のアメリカ西部を舞台に
馬による過酷な西部横断レースに挑む人たちを描いた
異色の西部劇です
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各々いろんな過去や経緯を背負って
700マイルに及ぶ長距離レースに参加
映画は
そうした悲喜こもごもの人間模様を
リアルな風合いで捉え
そして失われし時代を懐かしむように
牧歌的で
ノスタルジックな風情を終始たたえて
描写していきます
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当時の時代の習俗が
ディテールを凝らしてじっくりと再現されているので
本編は少し長尺になっていますが
その分、確かな説得力がありますね
何より演じる役者たちが豪華キャストで
見応えがあります
主演にジーン・ハックマン
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この人はホントいい役者ですね
人間味に溢れていて
人の良さが滲み出ていて
特に70年代は油が乗っていましたね
他にニヒルな風貌の
ジェームズ・コバーン
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男勝りの逞しさを見せる
キャンディス・バーゲン
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若手時代のジャン=マイケル・ヴィンセントもいいです
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と
レース自体は何でもありで
かなりアバウドな感じで
そこらへんが
むしろおおらかで面白い
度々映し出される
馬を延々走らせるシーンは生の迫力があって
あまりにも雄大な西部の大自然と相まって
観ていて自ずと感動を覚えます
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いやあ
豪快でスケール感があって
独特の味わいに富んだ重厚な人間ドラマ
つくづく
こういうリアルで神話的なムードは
もう創り出せないでしょうね
というわけで
ブルックス監督の的確な演出と
役者陣の人間臭い演技が
見事に結実したパワフルな一本
是非とも必見です
ちなみに題名の「弾丸を噛め」とは
劇中
弾丸を歯にさして応急措置をしたことに由来
広くは“苦しみに耐えてやりぬけ”
という意味に通ずるようです
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