悲劇の天才パラジャーノフ
つい先月まで
渋谷のユーロスペースにて上映していました
旧ソ連グルジア生まれの
アルメニア人映画監督
セルゲイ・パラジャーノフ(1924-1990)の
生誕90周年記念映画祭です
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またまたマニアックなところを…
と言うなかれ
パラジャーノフは知る人ぞ知る
伝説の映画作家です
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まあ
悲劇の天才…
という言い方がふさわしいでしょうか
パラジャーノフは
他に類を見ない感性の持ち主で
作品はどれも詩的で美しく
独特の色彩感覚と様式美に彩られています
でもそれゆえに彼は
当時のソ連において
“ソ連公認のリアリズムからの逸脱”
という理由で危険視され
結果的に様々な名目をつけられては
懲罰として度々投獄
旧ソ連下で合計15年もの歳月を獄中で過ごします
そうしてやがて時代が移り変わり
世界の映画人たちの尽力もあって
長い軟禁生活から解放され
自由に映画を撮れる立場になるも
数本製作した後
過酷な獄中生活の影響で肺炎にかかり
66歳でその波乱の生涯に幕を閉じます
生涯で生み出した作品は
わずかに長編6本と短編数本のみ
う~ん
惜しまれる死でしたね…
と
パラジャーノフが当局から弾圧され続けるゆえんともなった
独自の感性…
それはたぶんに
彼のアルメニア人としての血に起因します
旧ソ連下で不当な扱いを受けていた
亡国の民であるアルメニア人としての
自身の出自や
その文化、習俗を
彼は創作の源泉とし
当時のソ連において禁じられていた
アルメニア特有の宗教色や民族色を
自作にストレートに反映させていったのです
ゆえにパラジャーノフの映画における
その極彩美の映像が放つ強度は
いわば当局の迫害に対する
彼のアルメニア人としての存在証明
芸術家としての矜恃
…のまさに表れであると
とらえることができましょうか
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(by『スラム砦の伝説』)
とまあ
そんなわけでして
先月の映画祭では
パラジャーノフの長編6本を含む
計7本が一挙上映されたのですから
またとない機会でしたが…
う~ん
そう行けるはずもありませんでしたね…
実は
僕はパラジャーノフの映画は
まだ2本しか観たことがありませんで
くぅ
残念
というわけで
次回は
彼の代表作『ざくろの色』をご紹介します
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