『カラヴァッジョ展』
ただいま
上野の国立西洋美術館にて開催中です
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いやあ
待望の鑑賞が叶いました
あらためて
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)は
北イタリアのロンバルディアで画学を学び
ローマとナポリでその才能を開花させた
イタリアの代表的な画家にして
バロックという新たな美術様式をもたらした
まさに近代写実主義の先駆者です
また一方では
殺人を犯すなど
スキャンダルにまみれた放埓な人生を送り
わずか38歳で
その波乱の人生の幕を
閉じたことで知られています
これは作者不詳の
よく知られた
カラヴァッジョの肖像画です
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本展は
世界に現存するカラヴァッジョの
真筆60数点のうち
今回なんと
11点もの作品が集結
それに彼の影響を受けた継承者たちによる
作品40数点
また彼が起こした暴力事件などの裁判記録や
刀剣不法所持などの
犯罪歴を記録した古文書なども出品し
まさにカラヴァッジョの
偉大なる画業と
ドラマチックな人生をふり返る
またとない機会となりましたね
ということで
以下、ザザッとご紹介
◎《女占い師》(1597)
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カラヴァッジョは
当時の主な題材だった
宗教画や歴史画だけでなく
風俗画をよく描きました
人々の何気ない生活のひとコマを
人間味豊かに活写
◎《トカゲに噛まれる少年》(1596-97)
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トカゲに噛まれた瞬間の
少年のおののいた表情と
身体の動きのリアルさ
知覚の反応や人間の感情を
テーマにしたという点も
とてもユニークで面白いですね
◎《ナルキッソス》(1599年頃)
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鏡の中の自分に恋をしてしまう
ギリシャ神話に登場する
有名な美少年を描いています
従来の絵画は方向性を持たない
いわゆる“理想的な光”が
全体の隅々まで写し出されていたのに対し
カラヴァッジョは
スポットライトのように
はっきりとした一方向性を持つ光を用い
際立つ明暗対比による
迫真的な絵画空間を創り上げました
必要なところだけを強調し
インパクトをもたらすというこの表現は
後にレンブラントにも
強い影響を与えたと言われています
◎《果物籠を持つ少年》(1593-94)
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果物のリアルな細密描写
目の前の果物によりフォーカスが絞られ
対比として
後ろの少年を
意図的にやや霞めて描いています
◎《バッカス》(1597-98)
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同じく細密な表現を
さらに推し進めた作品
紅顔の美少年が
なんとも怪しいムードを醸し出しています
◎《エマオの晩餐》(1606)
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殺人事件で逃亡中に描いたとされる作品です
キリストだと気づかずに
晩餐に招待した弟子たちが
後になって気付くという
映画のワンシーンのようなひとコマ
明暗対比の極致
◎《法悦のマグダラのマリア》(1606)
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そして今回最大の目玉
なんと
世界初公開
400年ぶりに発見された真筆です
カラヴァッジョが亡くなった時に
3枚所持していた作品のうちの1枚だそうです
キリストの死後
暗い洞窟の中で信仰に身を捧げる
娼婦マグダラのマリアの
死の間際の
まさに宗教的恍惚
忘我の境地に至った姿を描いています
う~ん
なんという神々しさ
と同時に
この生々しいまでの恍惚とした表情
もう完全にイっちゃっていますね
この絵には
自身の犯した罪を悔い改めようとする
カラヴァッジョ自身の心情が投影されていると
見てとれることもできますが
果たして
その真意やいかに⁈
というわけで
いやあ
どれも見応え十分ですね
カラヴァッジョの凄さ
その圧倒的な迫力に
打ちのめされること必至
と
本展はなんと残り1週間
6月12日(日)まで開催です
でもまだ間に合いますよ
是非ともオススメです
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