映画『ドッグ・イート・ドッグ』
2016年公開のアメリカ映画
『ドッグ・イート・ドッグ』
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監督は
『タクシー・ドライバー』や『レイジング・ブル』などの
脚本家としても知られる大御所
ポール・シュレイダー(1946–)
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本作は
服役経験のある異色の作家で
タランティーノの『レザボア・ドッグス』にも
Mr.ブルー役で出演している
エドワード・バンカー(1933-2005)による
同名小説の映画化です
ストーリーを以下、サイトより転載
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刑務所内で親しくなった犯罪者のトロイとマッド・ドッグとディーゼル。出所した三人は金のために地元ギャングから依頼された汚れ仕事に手を染めていた。
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そんなある日、三人はギャングのボスから大仕事の依頼を受ける。それは借金を支払わない男の赤ん坊を誘拐するという簡単なものだった。ところが、ちょっとした計算違いと後先を考えない不用意な行動から、借金を支払わせるはずの男とその妻を殺害してしまう。これにより歯車が狂った三人は、それぞれに悲惨な末路を辿っていく。…
とまあ
ニコラス・ケイジとウィレム・デフォーの共演による
低予算のB級クライムサスペンスといったところです
…が
いやあ
なんのなんの
もう最初からぶっ飛んでます
コカイン中毒のマッド・ドッグの内面を視覚化したような
真っピンクに染められた映像
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唐突に起こる惨劇
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また
三人の男たちが部屋でトリップするシーンのイカれ度合いや
誤って撃った相手の頭部が破裂するシーンなどなど
もう完全に振り切っちゃってますね
と
しかし全体のトーンは
凄惨な場面ですらどこかポップで軽い
映画は全編シュールでビザールなテイストを貫きながら
不思議なブラックユーモアに包まれ
う〜ん
さらには
どこか宗教的な色合いすら帯びていきます
タイトルの『ドッグ・イート・ドッグ』は
“共喰い”という意味らしいですが
まあ仲間や家族を殺したり
自業自得から
やがて一人残らず死んでいく結末に至るまで
もう全編これ
低俗の極みです
…が
故に
逆に
聖なる光を獲得すると言いましょうか
イカれたジャンキー
マッド・ドッグに内在する
贖罪の意識
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カオスの中から
ほのかに浮かび上がる本質
映画は
随所に宗教的なメタファーを散りばめながら
聖と俗の振り子を
大胆に揺さぶり続けます
まさにシュレイダー監督だけあって
『タクシー・ドライバー』や『レイジング・ブル』に
相通じるテーマですね
いやあ
それにしても
俗の極みを体現しつつも
時折神々しさを垣間見せるデフォーが
やはり圧巻ですね
ふと
ケイジとデフォーの組み合わせといえば
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なんといっても
デヴィッド・リンチが監督した
1990年製作の
『ワイルド・アット・ハート』を想起
蛇革のジャケット姿のケイジと危ない男デフォー
二人とも若い
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う〜ん
特にはデフォーの
もはや伝説となった怪演ぶり
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リンチの嗜好とも相まって
身体表現としての醜さ
何より生理的不快感を
これでもかと体現
そうそう忘れることのできない
強烈なインパクトを
観る者にもたらします
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なにせ薄気味悪いったらない
異様なまでの存在感です
というわけで
すっかりデフォーの話になってしまいましたが
B級映画もたまにはいいものですね
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