映画『台風クラブ』
つくづく
映画を
的確な言葉で言い表すこと
それが評論
でもそれは
なかなかにして至難の業
もとより
言葉で言い表せないものを
表現するのが
映画
言わずもがなですが
そこが映画の映画たる所以ですからね…
ということで
先日
Amazonプライムでホント久々に鑑賞
1985年の日本映画
『台風クラブ』
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監督は
その先鋭的な映像表現で
映画界に旋風を巻き起こすも
肺癌によりわずか53歳で他界した異才
相米慎二(1948-2001)
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本作は彼の名を世界に轟かせた
まあ問題作ですね
とある地方の私立中学校を舞台に
映画は
台風が接近するにつれて
えも言われぬ昂揚感に包まれ
やがて衝動的な行為に走っていく
中学生たちの姿を
生々しくも鮮烈に描き出します
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映し出される映像の端々に宿る狂気
う〜ん
ちょっと言葉が見つかりません…
しかし稀に見る純度の高さです
映画は
気まぐれな台風に呼応して
思春期の少年少女たちが抱える
不安定な心情
繊細で危険な感受性
そのほとばしる感情の発露を
昭和レトロな質感のフィルムの中に
唐突に収めていきます
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田舎の学校のどことなく陰湿なムード
そうしたものをひっくるめたところの
地方都市の独特の風情
昔あった名残りとでもいいましょうか
どこか猥雑で正直で気だるくて…
なんとも懐かしい感覚
そうした80年代当時の
自由気ままな空気感や雑多な生活臭が
画面の端々から
そこはかとなく漂ってきます
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お
若き日の三浦友和が
無責任な担任の先生役を見事に好演
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と
にわかに漂う不穏
台風の到来とともに
次第に何かが狂い始め…
やがて爆発する少年少女たち
特筆すべき
乱痴気騒ぎのシーンの異様
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って
あらためて
一体どうやって演出したんでしょうか
スレスレというか
完全に倫理の枠を逸脱しています
その
どこへ行くともしれない
少年少女たちの
刹那的なまでの道程を
カメラは
おそらくは捉えるのがやっとで
う〜ん
今観ても
到底、現実の方が追いついていってません
しっかし
工藤夕貴はじめ
生徒たちが振り切っていますね
皆、無垢で大胆で
底知れぬエネルギーを放出し続けていて
もう驚嘆の演技です
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つくづく
80年代の相米慎二は
この時代の森田芳光(1950-2011)もそうでしたが
まあとんがってましたね
今ではちょっと考えられない表現に溢れています
というわけで
『台風クラブ』
瑞々しくもおぞましい
狂気の産物
いやあ
今更ながら
傑作です
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