映画『狼たちの午後』
秋の夜長に
ふと
なんとなく
若い頃のアル・パチーノが
無性に観たくなって
ここ数日かけて
DVD鑑賞しました
いやあ
あらためて
若きパチーノ
キレキレですね
吠えまくってます
観たのは
いずれも代表作に数えられる3本
まずは
なんてったってこれ
もう大好きな映画です
1975年のアメリカ映画
『狼たちの午後』
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社会派の名匠
シドニー・ルメット監督(1924-2011)
渾身の力作です
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うだるような暑さの昼下がりの午後
無計画に銀行を襲った2人の強盗が
警官隊に包囲され
やむなく篭城せざるを得なくなり
やがて周囲を群衆が取り囲み
次第に騒ぎが大きくなり
マスコミの格好の対象とされていき…
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72年に起きた実話を元に
社会の底辺を生きる人々によって
もたらされる悲喜劇を
強盗犯とその家族や恋人、人質、警察やFBI、マスコミ、群衆などの
様々な人間模様を交えながら
ドキュメンタリータッチで
鋭く描写します
パチーノが血走った眼をギラつかせながら
行き当たりばったりの主犯を熱演
↓↓↓
と
強盗犯が
祭り上げられていくパラドックス
面白いのは
パチーノ演じる主人公ソニーが
マスメディアに乗せられ
また群集心理に加担して
どんどんオーバーヒートしていくところ
まさに独壇場
エスカレートしていく群衆を煽りたてる
パチーノ渾身の咆哮
↓↓↓
う~ん
現代に通じる
マスコミュニケーションによる
アメリカ社会の歪んだ姿が
否応なく浮き彫りにされます
また相棒サルの
対象的な寡黙さも
ソニーの激情を
よりいっそう際立たせます
サル役のジョン・カザールが
これまた絶妙の演技を披露
何を考えているのかわからないコワモテながら
内心は緊張している様を
そんな繊細な善人の本質を
見事に体現します
↓↓↓
と
実はこの2人
『ゴッドファーザー』で
兄弟を演じてますが
それはまた後の機会に…
さらには
強盗犯2人と人質の銀行員たちが
次第に
ある種の連帯意識で結ばれていく妙
いわば
ストックホルム症候群と呼ばれるやつですね
そして淡々と
虚無感の漂う結末の秀逸さ…
↓↓↓
いやあ
本作はまさに
現代アメリカ社会の縮図ですね
というわけで
『狼たちの午後』
まぎれもない
映画史に残る傑作です
さあ
そして
2本目のご紹介は次回
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