映画『ベルリン・アレクサンダー広場』
強烈無比のメロドラマ
それは過剰で
退廃的で
まあ
とにかく感傷的です
まさにファスビンダー節炸裂
1980年製作
上映時間898分
全14話からなる長編TV映画
『ベルリン・アレクサンダー広場』
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監督は
“ニュー・ジャーマン・シネマ”の旗手として
ドイツ映画界を牽引するも
わずか37歳で急逝した天才
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1945-1982)
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16年の活動期間内に
実に44本もの作品を遺したのですから
その量産ぶりには目を見張るばかりです
つくづく
政治、社会に対するシニカルな視点
時代の先端を捉える嗅覚
人間に対する深い洞察
マイノリティへの共感…
度々書いていますが
才能の塊でしたね
この人は…
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と
本作『ベルリン・アレクサンダー広場 』は
その長尺ぶりからもうかがえるように
ある意味
ファスビンダーの集大成的な作品です
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〈全14話タイトル〉
第1話[プロローグ]処罰が始まる
第2話 死にたくなければどう生きるか
第3話 脳天の一撃は心をも傷つける
第4話 静寂の奥底にいる一握りの人間たち
第5話 神様の力を持った刈り手
第6話 愛、それはいつも高くつく
第7話 覚えておけ―誓いは切断可能
第8話 太陽は肌を暖めるが、ときに火傷を負わす
第9話 多数派と少数派の間の永遠の隔たり
第10話 孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる
第11話 知は力 早起きは三文の得
第12話 蛇の心の中にいる蛇
第13話 外側と内側、そして秘密に対する不安の秘密
第14話[エピローグ]ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー:フランツ・ビーバーコップの夢についての私の夢
う〜ん
この奇妙な邦題のタイトルからして
もうお腹いっぱいですね
原作は1929年に発表されたアルフレート・デーブリーンの同名小説で
物語は
第1次世界大戦後から第2次世界大戦前
1920〜30年代の
いわば戦間期のドイツ、ベルリンが舞台
この時代は
失業者が溢れ
犯罪が増加し
共産主義との熾烈な争いの中から
やがてファシズムが台頭
社会全体が不穏な空気に包まれていきます
映画は
そんな混沌とした時代を生きるひとりの男
フランツ・ビーバーコップ
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彼が辿る苦難の生き様
そして彼の目を通して
社会の底辺を生きる
ヤクザや娼婦、浮浪者など
あくまで周縁者たちにスポットを当てていきます
正直で狡猾な彼らの口から発せられる
ビビッドな言葉を通して
この激動の時代が雄弁に語られます
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ファスビンダーのミューズ
ハンナ・シグラも出演
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いやあ
レトロなムードの中で展開される
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人々の剥き出しの感情露わな
生々しくも特異な世界観
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つくづく
ファスビンダーの映画は
病みつきになりますね
というわけで
『ベルリン・アレクサンダー広場』
濃密な人間ドラマの力作です
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