『棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』

一昨日で終わってしまいましたが

先日

なんとか滑り込みで間に合いました

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東京国立近代美術館にて開催されていた

『棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』

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公式サイトは→こちら

いやあ

これはなんとしても

観に行かないわけにはいきませんでしたね

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本展は

版画家・棟方志功(1903-1975)の

生誕120年を記念した大回顧展です

今回は特に

自身、こだわり抜いた板画(はんが)を軸に

倭画(やまとが)、油画(あぶらが)といったジャンルを横断し

他に本の装幀や挿絵、包装紙などのデザイン

はたまた映画・テレビ・ラジオ出演などなど

多岐にわたる活動を紹介

この日本が誇る稀代の芸術家の

創作の軌跡

その全貌に迫ります

いやあ

興味深いですね

本展にて

土門拳の撮影による

棟方の写真も展示されていました

板を凝視し

一心不乱に彫り進める

その鬼気迫る姿が印象的ですね

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ということで

主な作品をご紹介しながら追っていきます

全館ほぼ写真撮影OKだなんて

嬉しいですね

それにしてもすごい人混みでした

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《大和し美し》(1936)

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文字と絵が絡み合うように融合した

『日本武尊一代記』の長編詩の版画

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この版画を通して

民藝運動の面々と出会い

以後、積極的に関わっていきます

貴重な写真も展示

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◎《華嚴譜》(1936

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華厳経の調話から着想

「華やかで厳か」という漢字のイメージを

自由に解釈した

棟方にとって最初の宗教モチーフの作品

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◎《東北経鬼門譜》(1937)

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故郷の土地が受けた宿命を

仏の力を借りて幸せにしたい

という願いを込めて本作を制作

板木120枚、約10メートルの大画面は

戦前では最大の作品

左右の屏風の中央に鬼門仏を置き

仏が自分の身を割って

衆生を救う姿を表しています

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◎《門舞(かどまい)男女神人頌》(1941)

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古事記に登場する神々16人の像を

八曲一双の板画屏風として描いた作品

文様化した

ダイナミックな身体表現の数々

◎《幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風》(1953)

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西洋キリスト教の十二使徒をモチーフにした

縦3mにも及ぶ縦長の屏風

描かれた使徒たちの

生き生きとした生命力がみなぎっています

◎《基督の柵》(1956

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装飾的でモダン

なんだかカッコいいですね

◎《灼員大聖天不動明王尊像》(1942)

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無造作な筆致ながら

不動明王のリアルな様が立ち上がってきます

◎《無事》(1947)

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書もすごいですね

◎《立山連峰を望む海岸風景》(1950)

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油絵もすごい

◎《法林経經水焰巻》(1945)

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疎開先の富山の福光駅から自宅までの

2.5kmの道のりを描写

大胆かつ詳細に描き込まれた街並みや人々

◎《二菩薩釈迦十大弟子》(1939)

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一体一体

これ際立つ個性たち

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◎《華厳松》(1944)

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光徳寺の依頼を受けて制作された

6枚の襖に大胆に描かれた巨松

何本もの筆を使い

筆の飛沫や量しなど

板画との違いを楽しみ

自在に描いたんだそうです

◎《四季福光風景》(1953)

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自作の詩と

春夏秋冬の色鮮やかな描写

◎《鐘溪頌》(1945)

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河井寛次郎の京都五条坂の渓窯から名付けられた

24画からなる大作

交互に配色された人物と

背景の市松模様が合っていて壮観ですね

◎《稲電・牡丹・芍薬図》(1944)

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コントラストが鮮やかな襖絵

通常非公開の貴重な一作

◎《歓喜頌》(1952)

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ベートーベンの交響曲第9番第4楽章

「歓喜の歌」のイメージを

奔放な裸婦で表現

◎《運命頌》(1950)

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当初はベートーヴェンの交響曲「運命」をテーマとしていたが

依頼者の大原総一郎から参考として送られた

ニーチェの『ツァラトゥストラ』の冒頭の文章が

四図にわたって彫られることになった作品

面白いですね

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◎《流離抄(右隻)》(1953)

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棟方自身

「板画の楽しさだけでつくったものでした」

「どうやっても板画ができてしまう」

と語っているように

素朴で懐かしい味わいがあり

のびのびとした楽しさが伝わってきます

◎《湧然する女者達々》(1953)

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大蔵経の主要六経典を

6人の女性像に象徴させた作品

根源的な原初のイメージに満ちていますね

◎《摩奈那発門多に建立すの柵》(1959)

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さらに太古のパワーを

まざまざと感じさせる一作

◎《花矢の柵》(1961)

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「青森のほうからのいのちをこんどは南のほうへぶつけてやるというような形のものにしたい」

なんともすごい迫力

◎《飛神(とびがみ)の柵》(1968)

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鮮やかな赤で裏彩色された一品

東北の人々へ豊穣の祈りを込めた作品といわれています

◎《捨身飼虎の柵》(1974)

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仏教説話をモチーフにした作品で

濃密に金彩を施した

荘厳な雰囲気が創出されています

ふぅ

というわけで

いやはや

圧巻の一語でした

なんという豊穣なる世界観

つくづく

作品の端々に

棟方の信仰心ともいえる

強い思いが

ヒシヒシと伝わってきます

ふと

それは

型にはまったものであったり

何か特定の宗教といったわけではなく

洋の東西を問わず

生きるということの実感を

己の信じるまま、感じるままに表現する

その先に

確かな強い信仰心が生まれ

それが自ずとみなぎっていく

そのようなダイナミックで

生命力に富んだイメージを

この膨大な作品群から感じとることができましたね

というわけで

本展は

棟方志功という

稀代の芸術家の全貌に触れる

またとない機会となりました

いやあ

感動しましたね

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