表現の違い

よく
小説と映画って
どっちがいいかっていう論議がなされると思いますが
う~ん
実際どっちがいいんでしょう
って
文学による表現と
映像による表現は
これはもう
比較すべくもなく
どっちもどっち
といいますか
好みによりけりでしょうね
まあ
小説の映画化ってなったときに
小説のイメージと
著しく異なる映像表現だったり
早い話が
映画化した際に
とっても稚拙な出来に仕上がることが多いのも
これまた事実ですので
どうしても比較対象になりがちですが
でもそもそも
小説と映画
文学と映像
は同じ土俵で比較するには
あまりにも違いすぎるといいますか
乱暴な話ではありますよね
と
そういうわけでして
とってもわかりやすい
表現の違いの事例を
以下にご紹介
ご存じ
トーマス・マンの中編小説
『ヴェニスに死す』
より
↓↓↓
主人公が旅先のヴェニスで見かけた
美しい少年の描写です
↓↓↓
「彼の顔は、青白く優雅に表情が閉ざされ、蜜色の捲き毛に取り囲まれ、真っ直ぐに 通った鼻とかわいい口を持ち、優しい神々しい真面目さを浮かべている。彼の顔は、 最も高貴な時代にできたギリシアの彫像を思わせた。そしてそれは形態が極めて純粋 に完成していながら、同時に比類なく個性的な魅力を持っているので、見つめている人は、自然の中にも造形美術の中にも、このくらいうまくいったものを見かけたことはないと思った。」
と
これに対して
この小説を映画化した
あまりにも有名な
ヴィスコンティの映画
『ベニスに死す』
より
↓↓↓
上記のトーマス・マンの文学表現の
映像化がこれ
↓↓↓
演じたビョルン・アンドレセンの
まさに存在
一発OK
って感じで
う~ん
これはインパクト大ですよね
と
軍配やいかに…
映像による印象度が
先行しがちな現代ですが
でも表現は
まったく異なる
これは比較対象には
なかなかなり得ない
どっちもどっちの
濃密な表現に違いないかなと
つくづく思う今日この頃です
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